研究課題/領域番号 |
24530640
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
西田 芳正 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (10254450)
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研究分担者 |
島 和博 大阪市立大学, 創造都市研究科, 教授 (50235602)
妻木 進吾 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (60514883)
内田 龍史 尚絅学院大学, 総合人間学部, 准教授 (60515394)
堤 圭史郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (70514826)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社会的排除 / 地域的顕在 / 貧困 / 国勢調査 / 児童自立支援施設 |
研究実績の概要 |
本研究は、貧困・生活不安定層が特定地域に集積し、当該地域で労働・生活を営むことでさらなる排除メカニズムが生じるという、社会的排除の地域的顕在化の2側面に関して、国勢調査データ分析等によってその実態とプロセスを解明することを目的としている。当初の計画では、「下町」「公営住宅団地」等を対象とするケーススタディを並行して実施する予定であった。しかし、国勢調査データ分析に際してデータの整理、加工作業に予想以上の労力を費やすこととなり、実質的な成果としては、その分析結果の一部を公表し得たにとどまる。この研究では、大阪府人権局による「国勢調査を活用した実態把握」調査のデータ分析を我々科研グループが担うことになっており、その成果として『国勢調査を活用した実態把握報告書【第一次】』(大阪府府民文化部人権局)が公表されている。実質的には本科研調査の成果ということができるこの報告書では、「旧同和対策地域」(=被差別部落)とそれ以外の地域で、いまなお大きな格差が確認された他、国勢調査の該当項目についての集計から、部落以外の地域においても貧困・生活不安定層が特定地域に集住している「被排除地域」が多数存在することが明らかとなった。これらの知見に関しては、本年度秋の日本社会学会大会で報告している。現時点では、直近の国勢調査データについての分析から、排除の「地域的顕在」の実態について確認した段階に留まるが、1980年度調査データから時系列での分析を可能にする準備作業を本科研調査の期間内に終了しており、その分析により、冒頭に記した課題の解明を今後進めていく。なお、我々のグループで取り組んできた児童自立支援施設の入所記録分析についても、生育家族および地域に関する分析をすすめ、その階層的・地域的な偏りに関する報告を今年度秋の日本教育社会学会において行っている。
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