1950年代の大衆社会化と雑誌ジャーナリズムについて、「大衆社会とメディアとの関係についての日韓比較研究に向けて――1950年代日本の百万部雑誌『平凡』『週刊朝日』の事例から――」と題した口頭発表を、2014年8月23日に開かれた日韓シンポジウム(日本マス・コミュニケーション学会と韓国言論学会との共催)においておこなった。そのあと、1950年代の大衆社会化と雑誌との関係性を論じた拙論をまとめた。これは、2015年に刊行される単行本に収録される。 また、大宅壮一の総力戦下における映画工作と1950年代の活動との把握を試み、「大宅壮一の戦中と戦後――ジャワ文化部隊と「「無思想人」宣言」」と題した学会発表を、2014年11月29日に日本出版学会にておこなった。 それとともに、大宅のライフヒストリーを明らかにしていくべく、前年度に引き続き旧制中学関係の資料紹介をおこなった。 そして大宅のライフヒストリーについてこれまでまとめていた拙論に、新たな知見を加えて改稿を施した。これは、2015年刊行予定の単行本に収録される。 研究成果の社会への発信としては、研究で得た知見を踏まえた拙稿を、公益財団法人大宅壮一文庫の会員向け機関紙『大宅文庫ニュース』第84号に寄稿した。また書評専門紙への寄稿もおこなった(『週刊読書人』2015年1月30日号)。地域への発信としては、2014年7月8日に宮崎県立図書館で開かれた「宮崎県高等学校教育研究会図書館部会中部支部平成26年度生徒図書委員講習会」において講話をおこない、約70名の高校生に、研究成果の一部をわかりやすく伝えた。また、2015年2月21日に、「大衆社会と出版文化」と題した自主講座(受講料無料の市民講座)を宮崎公立大学においておこない、研究成果の一部を一般市民にわかりやすく伝えた。
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