研究課題/領域番号 |
24530651
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
福田 亘孝 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (40415831)
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キーワード | 家族 / 世帯 / 親族 / ソーシャル・キャピタル / ソーシャル・ネットワーク / 少子化 / 未婚化 / 離家 |
研究概要 |
今年度は前年度に行った先行研究の検討をふまえ、データの分析を行い二つの国際学会で研究成果を発表した。これにより以下の点が明らかになった。まず第一に、高齢者が持っているソーシャル・ネットワークは質の面でも量の面でも国ごとに差が見られる。要するに、ソーシャル・ネットワークの形態は文化的なコンテキストに左右されることが明らかになった。第二に、結婚した夫婦は自らが持つソーシャル・ネットワークを考慮しつつ出生行動を行っている。従って、出生行動のパターンは所得や就業形態といった社会経済要因と価値や態度といった心理的要因に加えて、ソーシャル・ネットワーク要因の影響も含めて分析する必要があることが明らかになった。 上記の知見によって今後の研究について次の点が示唆された。すなわち、個人は家族・世帯や親族などの様々なソーシャル・ネットワークに包含されながら社会的行為を行っているが、個人の保有するソーシャルネットワークは質の面でも量の面でも国ごとに差がある。従って、離家、パートナーシップ、出生行動といった家族形成の特徴と変化を明らかにするためには、政策や制度だけでなく家族や親族といったソーシャル・ネットワーク関係を視野にいれた分析が必要であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は先行研究の成果をふまえた上でデータの分析を行うことがが主な目標であった。この成果は二つの国際学会での発表に結実した。国際学会での発表によって、国際比較の視点をより考慮した分析が必要であることが明確になった。これにより、次年度以降の研究の方向性がはっきりし、今後の分析で明らかにするべき課題を具体化することが可能になった。これらの点をふまえると、研究課題採択の二年度目としては研究はおおむね順調に進行していると言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、月数回のペースで研究会を開催し、結婚・パートナー関係、出生行動、家族形成、などについての先行研究の成果と問題点についての検討をさらに進める。加えて、ソーシャル・ネットワークについての先行研究の成果と問題点についても一層の検討おこなう。第二に、日本、ドイツ、イタリア、フランス、スウェーデンで実施された調査のミクロ・データとマクロ・データをそれぞれの国の研究者と連携しながら分析し、分析結果の検討を行う。第三に、国際比較分析の研究成果を国内、および、国外の学会やカンファレンスで積極的に発表し、研究の完成度を高める。
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次年度の研究費の使用計画 |
第一に、人件費の執行を翌年度にしたため。第二に、節約・倹約を心がけたため、当初の計画よりも物品を低価格で調達できたため。第三に、国際学会での発表が採択されず、出張旅費の支出が低額に抑えられたため。 主に四つの分野を中心にして研究費を使用する予定である。第一番目は文献と資料の収集のための費用である。次年度も先行研究の検討を行う予定であり関連分野の研究論文・書籍を入手する必要がある。加えて、日本とヨーロッパ諸国の社会経済データの資料収集も行う予定である。第二番目は出張のための費用である。次年度はデータの分析によって得られた研究成果を国内、国外の学会やカンファレンスで発表する予定である。第三番目はソフトウェアの購入のための費用である。本研究で分析手法として計量分析を用いるのでソフトウェアは必須である。第四番目はパソコン関連のハードウェアの購入費用である。本研究では調査によって収集されたミクロ・データを使用して分析を行うので処理するデータ量が莫大にならざるを得ない。このためデータ処理能力の高いハードウェアが不可欠である。
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