各人の経済状態と、ライフコースイベントの結果としての婚姻状況・家族形態との関連を2つの側面から検討した。第1の側面では、貧困リスクに対する婚姻状況・家族類型の影響に焦点をあてた。その結果、これらの影響は就労職業の影響よりも小さかったが、無視できないものだった。とくに女性の貧困リスクは、家族内の相互扶助関係に左右されていた。第2の側面では、無配偶者に較べて、有配偶者の就業所得が高くなる結婚プレミアムと、低くなる結婚ペナルティに焦点をあてた。その結果、男性にプレミアム、女性にペナルティが確認され、これらの現象に階層的地位そしてその稼得力を考慮した配偶者選択が関わっていることを示した。
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