研究課題/領域番号 |
24530656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
秋吉 美都 専修大学, 人間科学部, 教授 (40384672)
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研究分担者 |
中村 真由美 富山大学, 経済学部, 准教授 (30401269)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / アメリカ / オーストラリア / 幸福度 / ジェンダー / ワークライフ・バランス / 労働 / サーベイ |
研究概要 |
平成24年度は、平成25年度に予定している実査に向けて文献レビューおよび既存データの二次分析を行い、概念の適切な測定方法を検討することであった。代表者と分担者一名は、研究会を開催し、これらの課題に取り組んだ。文献レビューでは、日本人女性の場合、働いている人の方が幸福度が低い傾向があるが、米国人女性は働いている人の方が幸福度が高い傾向が認められることなど、国際比較研究の最新動向を確認した。また、サーベイに加えて、Experience Sampling Methodなどの革新的なデータ収集方法についてもその動向を確認した。 二次分析からは、幸福度の分散が他の変数に比べて低いことが見出された。客観的な状況に関わらず、多くの人はたいていの場合「幸福である」と答える傾向がある。米国やオーストラリアの専門家との情報交換も行い、分散の低さが測定上の課題となっていることを確認した。 測定方法の検討にあたっては、この分散の問題の対処方法を模索するとともに、既存の変数の整理を行った。幸福度に関する指標は大きく二種類に分けられ、「主観的幸福感」「生活満足度」「人なみ感」など、サーベイで収集される通時的な変数と、Experience Sampling Methodなどリアルタイムデータによって測定される、特定の活動や状況と関係する幸福度がある。二つのアプローチは一長一短だが、理論的にも方法論的にも統合されているとはいい難いことが判明した。したがって、平成25年度の実査では、サーベイとリアルタイムデータの統合をめざして調査設計を行うことになる。平成24年度は、実査に向けた方針を策定したことが主な成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の実施内容として予定していた文献レビュー、二次分析、調査設計が実施され、平成25年度は予定通り調査設計の継続および実査に着手する見通しのため、研究の目的はほぼ予定どおり達成されていると判断する。また、平成24年度に予定していた研究会についても実施し、既存研究の問題点を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に抽出した変数や項目を用いて、調査設計を完成させ、実査を行う。このために、研究会を開催する。また学会などで暫定的な知見について報告を行う。 従来から日本はもとより、オーストラリアやアメリカの研究者と情報交換を行って有益な知見や示唆を得られていることから、25年度に関しても国内外の専門家と積極的な情報交換を行う。 平成24年度の文献レビュー、二次分析を補完するために、25年度は調査設計と並行して、文献レビューおよび二次分析を継続する。 量的データと質的データの両方を収集する。量的データについては調査設計が完了しないと実査を行うことができないが、質的データについては探索的なデータ収集が可能でありまた望ましいため、探索的インタビューを含む面接調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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