研究課題/領域番号 |
24530663
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
中村 雅子 東京都市大学, メディア学部, 教授 (00217895)
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キーワード | デジタルアーカイブ / コミュニティ / 地域アイデンティティ / 市民参加 / システム |
研究概要 |
全体として、概ね当初の予定通り実施し、また一部は次年度に予定した部分を前倒しで実施することができた。平成25年度は下記のI~IVを予定していたが、それぞれについての実績は以下の通りである。 「計画25-I:文化実践としての各地の市民デジタルアーカイブの事例分析」については、仙台メディアテーク、信州でじくら、小布施まちとしょテラソ、山中湖情報創造館に取材を行い、市民デジタルアーカイブの現状についてデータを得た。また関連シンポジウム「大学・地域・連携シンポジウム「映像、アマチュア、アーカイヴ」(2014年3月1-2日開催)に参加して情報収集を行うとともに関係研究者と意見交換を行った。「計画25-II:デジタルアーカイブシステムの構築」については前年度に構築したシステムに対して実際のデータ入力を試験的に行い、地域住民グループからの評価を得た。「計画25-III:地元エリアでの実証実験」については、上記のほか、地元横浜市都筑区の区制20周年事業で住民参加型アーカイブを制作する企画が持ち上がり、行政に協力して、研究室として参画し、参与観察を行った。その他、定期的に「つづきアーカイブクラブ」のミーティングを持ち、2014年3月には、同会主催で横浜市歴史博物館で公開勉強会を行うなど、地域と連携して市民アーカイブの展開を模索している。 「計画25-IV 成果報告」については研究の一部を2013年度日本質的心理学会大会で発表し、関係研究者と意見交換を行うことができた。また最終年度に行う予定であったシンポジウムを前倒しで実施し、全国の60名以上のアーカイブ研究者とともに地域アーカイブについての討論を行った(「地域映像アーカイブ」大学連携シンポジウム第1回<横浜>」2013年10月27日開催)。なお成果の一部が新潟大学の関連誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実績に示した通り、研究計画の大半、とくに地元での実践やデータ収集、ワークショップ等は予定通り実施されている。また一部の事業(シンポジウムの開催)については、前倒しの開催となり、予定以上の進捗と評価することができる。 一方、宿泊を伴う遠距離の地方取材が予定より遅れており、比較のための各地のデータの収集を引き続き行いたいと考えている。またデータ整理作業について、やや遅れ気味であり、今後キャッチアップを図りたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
地方取材および成果発表のための出張を計画的に行えるよう年初に準備を進める。取材成果を元に行うデータ整理についても、それにともなって進める予定である。また成果の取りまとめの加速化を図りたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
使用差額が大きかった費目は「旅費」と「謝金等」であり、執行残高が生じ、次年度持ち越しとなった。主たる原因は、日程の調整が困難であったため、宿泊を伴う取材の実施を先送りして、日帰り取材を優先的に実施したこと、および関連データの収集・整理作業が遅れ気味であり、これについての人件費・謝金の支出が遅れたことである。 今後は上述の推進施策に示したように、これらの執行を加速することで計画にそって使用する予定である。
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