本研究では第一に全国の市民デジタルアーカイブ活動(市民DA)への半構造化インタビューおよび一部に参与観察を行った。実践者は市民DAに独自の価値を見出しているが、公的な施策への批判性は必ずしも強くないことが明らかになった。公的機関や公的助成の活用を含め、デジタルアーカイブの安定的な運営には多様なネットワークの構築が重要であり、そのようなリソースの調達に多様なツールが利用されていた。また市民DAが人的、経済的など、多くの困難を抱えている実態が明らかになった。また第二の目的である実証実験では、本実証実験を契機に地域内でも関連活動が活性化され、活動とメディアの再構成が生じる経過を観察することができた。
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