本研究は、グローバル化のなかの文化とアイデンティティに関する理論的考察を行うことを目的とする。考察のため、「国境を越える文化生産システムのなかで、どのように『日本らしさ』が再構築されているのか」という研究の問いを設定し、事例調査を実施する。事例にはグローバルなファッション業界、飲食業界を選定し、調査方法にはインタビューと参与観察を採用した。調査の結果、国際移動の要因とそのパターンが明らかになった。また、グローバルな「界」において、人種・ナショナリティ、ジェンダーが、職業や界での地位に関係していること、その複合的な影響によって「日本人らしさ」が再構築されていることが明らかになった。
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