研究課題
本年度も引き続き、岩手県大槌町、宮城県気仙沼市、福島県いわき市などを主な調査フィールドとして、東日本大震災がもたらした社会的な課題を明らかにすることに取り組んだ。なお、各種の学会活動やテーマ別の学内ネットワークなどで既に築かれた連携をさらに深めて、それ以外の被災地域に関する情報収集も継続的に進め、被災地でこれまで抱え体験してきた課題を、地域を超えた文脈でとらえ直しながら、相互に比較検討できる枠組みをつくった。研究実績としては、当研究のメンバーがコーディネート・司会や問題提起など中軸的な役割を果たして、2014年11月29~30日に関東都市学会(東北都市学会との共催)秋季大会を、いわき市で開催した。いわき市は、東日本大震災で、地震・津波・原発事故など直接的な被害を受け、その後も放射能汚染などの風評の影響を長期にわたって受け続けた福島浜通り地区の中心都市である。大会では、大きな時代の流れのなかで原発事故の収拾と対策をはじめ、さまざまな課題を抱えるいわきに焦点を当てたシンポジウムを実施した。その他、2014年7月20日に開催された日本学術会議主催学術フォーラム「減災の科学を豊かに―多様性・ジェンダーの視点から--」においてパネリストを務め、災害社会学や脆弱性論の観点から多様性・ジェンダー問題をどう見るかについての報告をおこなった。この他、11月に神戸大学で開催された日本社会学会で研究活動報告を行うなど、学会レベルや社会実践活動レベルで対外的にもさまざまな活動を実施している。また、研究者同士の情報交換のために、各地の災害事例や地域の復旧・復興状況に関する報告や知見の発表、メンバー間の情報交換を兼ねた各種の研究発表などを、適宜継続して行った。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち謝辞記載あり 6件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
吉原・仁平・松本編『東日本大震災と生活世界の変容』六花出版
巻: 1 ページ: 521-543
鎌田薫監修、早稲田大学震災復興研究論集編集委員会編『震災後に考える--東日本大震災と復興過程92の分析と提言--』早稲田大学出版部
巻: 1 ページ: 113-128
巻: 1 ページ: 129-140
地域社会学会年報
巻: 26 ページ: 11-28
“Sociology in the Post-Disaster Society” Grant-in-Aid for Scientific Research (A) –Reconstruction from the East Japan Earthquake--
巻: 1 ページ: 22-32
“Sociology in the Post-Disaster Society”, Grant-in-Aid for Scientific Research (A) –Reconstruction from the East Japan Earthquake--
巻: 1 ページ: 80-94