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2013 年度 実施状況報告書

人間環境系を対象とする環境社会学理論の再構成-科学社会学的視点による批判的検討

研究課題

研究課題/領域番号 24530675
研究機関恵泉女学園大学

研究代表者

松村 正治  恵泉女学園大学, 人間社会学部, 准教授 (90409813)

キーワード環境社会学 / 社会-環境系 / 地域環境史 / 公共社会学
研究概要

本研究は、日本の環境社会学を代表する理論的枠組みについて、「社会-環境の関係」「環境をめぐる社会関係」を軸に捉え直し、批判的に再検討をおこなうものである。2年目は、1年目に十分に検討を加えられなかった生活環境主義を読み直し、公共社会学の議論を参照しながら、批判的に検討をおこなった。また、沖縄県西表島と苫東開発地域を対象にして、それぞれの地域における社会-環境史をひもとき、これを被害構造論や受益圏-受苦圏論にも引きつけながら理論的な検討を加えた。
研究の成果は、2013年3月に、環境統治性と公共性に関する論考を宮内泰介編『なぜ環境保全はうまくいかないのか』(共著)に収めたほか、2013年6月と12月には、環境社会学会大会において、「環境社会学の公共性」「地域環境史のアクチュアリティ」というタイトルで、発表することができた。
こうした作業によって徐々に見えてきたことは、公共性を開く学問として環境社会学を捉える視角の有効性である。これまでの環境社会学研究では、社会の再帰性が組み込まれていないために、「批判のための批判」的議論になっていることが少なくなかった。これに対して本研究では、研究者の立場性を自覚しながら、研究者の批判を社会に問い返し、その問いから議論を豊かにし、社会が開かれていくという理論的検討の方向性を示した。さらに、その具体例として、地域住民とともに、その地域の社会-環境史を作るというあり方の可能性を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「やや遅れている」と自己評価したのは、計画通りには研究者へのインタビューを実施できなかったからである。しかし、本研究にかかわる論考を共著に収めたほか、2回の学会発表を通して、研究成果を公表することができた。学会発表では、環境社会学が公共性を獲得していく方向性や、研究成果がアクチュアルなものとなるための論点など、本研究にかかわる議論を深化させることができた。
研究会については、研究者へのインタビューと合わせて開催した。なお、未消化の予算があるが、これは3月に現地調査を実施するために生じたものであり、想定していた範囲内である。

今後の研究の推進方策

おおむね、研究計画通りに進めていく予定である。2年目に実施できなかった生活環境主義に関する研究者インタビューは、3年目に実施する。海外との理論的な交流が進むように、海外における社会-環境系のモデルのレビューを進め、さらに研究会を開催して、理論モデルの構築をはかりたい。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額が発生しているのは、会計上の締めが年度の区切りと異なっていることに主因がある。2月までの収支が現れているが、3月に現地調査を実施する予定だったことから、使用額が生じている。
2年目に実施できなかった研究者インタビューをおこなうほかは、当初の予算どおりに研究費を使用していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 環境社会学の公共性

    • 著者名/発表者名
      松村正治
    • 学会等名
      環境社会学会第47回セミナー
    • 発表場所
      桃山学院大学
  • [学会発表] 地域環境史のアクチュアリティ―西表島における環境/開発史研究を題材に

    • 著者名/発表者名
      松村正治
    • 学会等名
      環境社会学会第48回セミナー
    • 発表場所
      名古屋市立大学

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公開日: 2015-05-28  

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