3年間の研究の総括に力を注いだ。これまでの調査結果を整理し、最終的な分析・検討をくわえた後、関連領域の専門家と意見交換を行って、成果報告をまとめた。 前半には、平成25年度3月に研究協力者と行った打ち合わせでの指摘を取り入れ、調査結果の分析ならびに理論枠組みの構築を行った。それにあたっては関連文献・資料に再度あたると共に、Advanced Marginalityネットワークのメンバーとインターネット会議を通じて二度にわたって意見交換を行い、枠組みの精査をすすめた。そしてその成果の一部を9月に『国境政策のパラドクス』という共著として刊行した。さらに9月に追加調査を実施し、総括に向けての準備をすすめた。 後半は、追加調査データの整理と分析作業を行った。主に海外研究協力者とメールならびにインターネット会議を通して議論を重ね、衰退地区の状況を抜本的に改善しうる政策のあり方を検討した。3月には社会科学高等研究院(フランス)でワークショップを開催する予定であったが、1月のパリ風刺新聞社襲撃事件などの余波のため、海外研究協力者から成果報告のワークショップを5月に延期したいとの旨の申し入れがあり(5月23、24日を予定)、延期を決定した。その分、活字での成果報告書の作成を行い、それは平成27年5月に『排外主義を問いなおす』というタイトルで勁草書房より刊行される。
|