この研究は、虐待のある家族の相互作用と関係性の特性を明確にし、家族システムの変容を促す見地から臨床社会学的な実践を試行する場を設け、子ども虐待対策に親指導や親面談を組み込むことを意図したアクションリサーチである。家族関係の変化を促進させるグループワークや面談、家族面談を実践し、虐待のある家族への「介入と支援」のための基礎データを得、事例分析を行った。処罰や厳罰による介入・分離主義だけではなく、子どもの利益に資する、家族関係変化のための回復的司法・治療的正義、司法臨床の制度構築、援助実践方法のための基礎的研究として位置づけ、家族臨床の実践理論構築へと成果を環流させることができた。
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