研究課題/領域番号 |
24530692
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研究機関 | 公益財団法人労働科学研究所 |
研究代表者 |
赤堀 正成 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 協力研究員 (60321676)
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キーワード | 社会学 / 産業 / 労働 |
研究概要 |
調査対象である,日本A社及びフランスB社の企業で働く労働者(元労働者含む)及び労働組合と連絡を取り,質疑応答及び資料提供を受けた。 フランスB社の調査対象において重要になるのは労働協約の検討である。日本の労働慣行を前提とせずに,協約の文言とその実態との「ずれ」(としばしば映る)を把握し,日常の労働慣行を一度再現し,再現したイメージを随時他の資料,ヒアリングによって修正していかなければならない。 多国籍化しているフランスB社においては,世界に広がるB社系列で働く労働者が加盟している労働組合の過半とB社経営とが一同に会して労働安全衛生,企業モラルに関わる事項について議論する場がある(なお,B社系列の日本A社の労働組合はこれに参加していない)。 この場で,労働組合はグローバルに展開するB社系列各社における労働をめぐる諸基準の偏差をなくし,全体を底上げしつつ,出来る限り統一した基準を作り出そうとしている。系列各社で起きる労働をめぐる諸問題を取り上げて,その是正を求めるのはもちろんである。注目されたのはB社系列の日本A社における労働者の解雇問題についてA社の労働組合がこの会合に参加しないことから,フランスの労働組合B社支部がA社の解雇問題についてこの会合を利用して解決を目指そうと動いたことである。 言うまでもなく,労働者の運動の国際的な連携,連帯はその歴史にも拘わらず,具体的取り組みについては多くの困難があったが,過去30年ほどの間に進展した新自由主義的なグローバル化を背景に,労働者運動の国際的協同の取り組みが進みつつあるのかも知れない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒアリング計画については進捗を見たが,研究遂行のために新たに現在進行中の事態を追跡する必要もあり,一次資料となる文献の収集及びそれらの評価についての作業が必ずしも思うように捗らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は一次資料の収集,ヒアリングを積極的に進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していたフランス現地調査が都合がつかず予定より少なくなったため。 次年度に調査を行う。
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