欧米の労働組合は日本のように企業別労働組合ではなく産業別労働組合を基本単位とすると言われることがしばしばある。しかしフランスのCGT(労働総同盟)は1968年以降,企業別事業所別労働組合を単位労働組合としてきた。日本の企業別労働組合に指摘される「弱さ」と類似の「弱さ」をCGTを構成する企業別事業所別労働組合に見出すことは可能である。しかし,CGTにおいては企業別事業所別労働組合の企業横断性は地域組織,県組織,産業別組織,全国組織に加盟することを規約において定めることで主体的に確保されており,そのことが職場における労働組合運動の維持と強化とに結びついているように思われる。
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