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2014 年度 実績報告書

高齢者の受診行動とヘルスリテラシーの現状と課題

研究課題

研究課題/領域番号 24530698
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

村田 千代栄  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 老年社会科学研究部, 室長 (40402250)

研究分担者 加藤 佳代(鈴木佳代)  愛知学院大学, 総合政策学部, 講師 (90624346) [辞退]
筒井 秀代  帝京大学, 医学部, 助教 (30569330)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード医師患者関係 / 受診中断
研究実績の概要

医師と患者間のコミュニケーションが不十分なために、治療に必要な情報が現場で十分得られなかったり、患者の自己判断による治療の中断につながっていることが内外の研究で指摘されている。本研究では地域在住高齢者の治療中断に至る経路について、混合研究法により、医師・患者コミュニケーションの観点から検討を試みた。量的には日本老年学的評価研究(JAGES)2013年度調査A版(N=27,414、回収率70.7%)を用いた。質的には対象自治体の一般高齢者(男性14名、女性24名)への半構造化面接を行った。過去1年に必要な治療を中断した高齢者は、男性1,908名(25.2%)女性2,169名(27.5%)であり、理由として、待ち時間が長い(21.9%)、医者に行くのは好きでない(17.5%)、費用がかかる(14.8%)、医者にかかるほどの病気ではない(14.8%)があげられた。男女とも、年齢、疾患数、所得や教育年数を調整した上でも「診療場面でわからないことを質問できなかった」者ほど、必要な受診を控えていた(p<.001)。半構造化面接から、質問できなかった理由として「忙しそうだった」「次の人が待っている」「質問しても無視された」「嫌な顔をされた」などの意見がきかれ、治療場面において、患者の立場の弱さに付随するコミュニケーション齟齬がみられた。また、男女とも「医師の説明を聞いたうえで医師と患者が相談して決める」(パートナーシップ型)で受診中断がもっとも少なく、男性で「医師の説明を聞いて患者が決める」(患者中心型)(p<.05)、女性では「すべて医師にまかせる」(おまかせ型)(p<.001)で、受診中断が多かった。「医師とのコミュニケーション不足」が、治療コンプライアンスの悪さや治療中断につながっており、患者のヘルスリテラシー向上に加え、医師との良好な関係づくりが必要なことが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Access Disparity and Health Inequality of the Elderly: Unmet Needs and Delayed Healthcare2015

    • 著者名/発表者名
      Tetsuji Yamada, Chia-Ching Chen, Chiyoe Murata, Hiroshi Hirai, Toshiyuki Ojima, Katsunori Kondo, Joseph R. Harris III
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 12 ページ: 1745-1772

    • DOI

      10.3390/ijerph120201745

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] AGESプロジェクトのデータを用いたGDS5の予測的妥当性に関する検討-要介護認定,死亡,健康寿命の喪失のリスク評価を通して-2014

    • 著者名/発表者名
      和田有理、村田千代栄、平井寛、近藤尚己、近藤克則、植田一博、市田行信
    • 雑誌名

      厚生の指標

      巻: 9 ページ: 7-12

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Depression in older Japanese male and female caregivers: the Japan Gerontological Evaluation Study (JAGES) Project2015

    • 著者名/発表者名
      Tami Saito-Kokusho, Chiyoe Murata, Seungwon Jeong, Katsunori Kondo, JAGES Group.
    • 学会等名
      IAGG Asia/Oceania 2015
    • 発表場所
      Chiang Mai, Thailand
    • 年月日
      2015-10-19 – 2015-10-22
  • [学会発表] 地域在住高齢者の治療中断に至る要因~医師・患者コミュニケーションの観点から2015

    • 著者名/発表者名
      村田千代栄、近藤克則、筒井秀代、原岡智子、斎藤民、相田潤、JAGESプロジェクト
    • 学会等名
      第57回老年社会科学会
    • 発表場所
      横浜(神奈川)
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-14
  • [学会発表] 男女別にみた家族介護に従事する高齢者の介護状況と特徴~非介護者との比較から2015

    • 著者名/発表者名
      斎藤 民、村田千代栄、鄭丞媛、近藤克則、JAGESグループ
    • 学会等名
      第57回老年社会科学会
    • 発表場所
      横浜(神奈川)
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-14
  • [学会発表] Effects of Marriage on the Onset of Disability in Older Men and Women: A Seven-Year Follow-up2014

    • 著者名/発表者名
      Tami Saito-Kokusho, Chiyoe Murata, Jun Aida, Seungwon Jeong, Katsunori Kondo
    • 学会等名
      The Gerontological Sciety of America (GSA) 2014 Annual scientific meeting
    • 発表場所
      Washington, DC, US
    • 年月日
      2014-11-05 – 2014-11-09
  • [学会発表] 地域住民の終末期への備えについて~予備調査の結果から2014

    • 著者名/発表者名
      村田千代栄、斎藤民、清家理
    • 学会等名
      第73回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      宇都宮(栃木)
    • 年月日
      2014-11-05 – 2014-11-07
  • [学会発表] 医療コミュニケーション:治療場面で何が起こっているのか?~患者の視点2014

    • 著者名/発表者名
      村田千代栄、原岡智子、筒井秀代
    • 学会等名
      第56回老年社会科学会
    • 発表場所
      下呂、岐阜県
    • 年月日
      2014-06-07 – 2014-06-08

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公開日: 2016-06-01  

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