本研究はエーシュタ・シュンダ―ル大学(スウェーデン)教授のヴィクトール・ペストフ氏との共同研究であり、平成26年度(2014年度)は本研究の最終年度であった。研究調査実績は次のとおりである。 1)ヴィクトール・ペストフ教授の招へい時(2014年5月16日-6月1日、10月31日-11月13日)における調査研究会と公開研究会の実施:本年度はペストフ教授を大阪大学国際共同研究推進事業(代表:苧阪満里子・大阪大学教授)により2回招へいし、その滞在期間に①前年度の日本各地の協同組合医療・介護に関するフィールド調査の結果と整理分析、②質問紙調査の実施計画づくりを行った。その結果、2015-2017年度学術振興会科学研究費補助金(基盤C)に申請し採択され、本研究は発展的継続されることとなった。 また学術的な社会貢献として、5月には大阪で'The roles of the third sector in democratizing the welfare state'、11月には埼玉と大阪で'Co-Production at the Crossroads:Implications of different public administration regimes'というタイトルで公開研究会を開催し、当該分野の研究者および医療・介護従事者の参加のもとで、介護・医療供給における市民セクターの役割について議論した。 2)研究成果の発表:フィールド調査の概要と調査結果をworking paperとして、英語と日本語で作成中であり、今後、質問紙調査の結果とともに、ペストフ教授との共著にしていく計画である。刊行物としての成果はまだ数が少ないものの、2016年度にはすでに学会等での口頭発表3件(うち1件は国際学会)が確定しており、論文執筆につなげる計画である。
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