研究課題/領域番号 |
24530701
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲葉 美由紀 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (40326476)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生活困窮 / 国際福祉 / 社会開発 / ソーシャルワーク / コミュニティワーク / エンパワーメント |
研究実績の概要 |
本研究は、先進国における社会開発的ソーシャルワークのモデル構築向けて従来のソーシャルワークの枠を超える開発的アプローチから示唆を得ることを目的とする。
今年度(3年目)は引き続き本研究課題に関して社会福祉、コミュニティワーク、ソーシャルビジネス、社会企業、連帯経済などの領域において先行研究および資料、情報収集を行った。また、研究会、学会、セミナなどに参加することにより、ソーシャルワーク、コミュニティワーク、地域福祉、福祉と社会企業などに関する資料収集を行った。夏休暇中に予定していたアメリカへのフィールド調査が実施できなかったため、12月にアラブ首長国連邦(ドバイ、アルアイン)と開発モデルで有名なインドケラーラ州(トリバンドラムなど)においてフィールド調査を行った12月17日に開発研究センター (Centre for Development Studies) にで高齢化と社会保障に関するラウンドテーブルで「Building Community Capacity Through Dementia Care: A Case Study of Omuta City」を口頭発表し、現地とアメリカの研究者と意見交換することができた。。その結果、先進国のソーシャルワークとの相違点、コミュニティワークの課題や動向について有識者から意見を得ることができた。
1)貧困が大きな問題であるため、福祉、仕事、生活支援を連携させた包括的な支援に取り組んでいること。2)元々政府からの社会保障制度が未整備のため、個人、グループ、地域のストレングスやエンパワーメントに着目した実践を進めていること。3)コミュニティへの介入はビジネス、健康、栄養、インフラ、保育、成人リテラシー、女性グループなど多分野と連携したプロジェクトが多いこと。4)各国のコンテキストにあったコミュニティワークモデルを模索していること。5)ソーシャルワーカーの役割(教育者、社会運動、政策への働きかけ、ファシリテーターなど)が多岐に及ぶこと。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3年目は引き続き研究課題に関する情報収集および先行研究のレビューを進めたが、大学業務などのため夏季休暇中に長期間不在にすることが難しく当初の計画(アメリカへのフィールド調査などの実施)から遅れている部分があるため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度であるため、これまで進めている調査研究を継続的に実施するとともに、昨年実施できなかったアメリカへのフィールド調査を実施する予定である。また、可能であれば、大牟田市の地域で取り組む認知症ケア、福岡市の障害者施設MARUおよび(株)ヒューマンハーバーなどを対象に調査を行う予定である。研究成果の取りまとめと成果の発信に取り組む。研究成果については国内外の学会(日本語と英語)で発表する予定である。可能であれば、研究課題に関連する海外からの研究者か実務者を日本に招いてセミナーなどを開催できればと考えている。文書としては学術雑誌などに執筆する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では夏期中にアメリカにおいてフィールド調査を実施する予定であったが、大学業務と家族介護などのため長期不在にすることができす実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度には遅れた部分をなるべく取り戻しつつ今年度の研究内容を実施する予定である。
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