本研究は、DV被害者の生活再建のあり方と自立支援策を探ることを目的とした。そのために、当事者に関する社会福祉のサービスの実態、直接支援に関わる民間支援団体等の支援の実態を明らかにすることを試みた。調査の主な結果は以下のとおりである。 ①DV被害者当事者からは、生活再建した後も、加害者からの追跡、本人の精神的不安定、子どもの育ちなどの不安、住居移転などの事例がみられた。②緊急一時保護委託の母子生活支援施設では、十分な対応ができていないとの回答が多かった。③北海道内のシェルターにおいては、民間主導で一時保護が実施されていること、最近の傾向として過剰な安全性重視と本人の意思が一致しない事例もみられた。
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