壮年期一般住民を対象としたうつ病スクリーニングとフォローアップ及び健康教育を用いた多層的予防介入を、①小地域に在住する全壮年者群への配布(局所的配布)と②自治体全域の特定年齢者群(広域的配布)の二つの配布方法によって実施した。両者のスクリーニング効率を比較したところ、参加率、把握されたうつ病エピソード有症率及び陽性反応的中度に差はなかった。一部の区域で自殺率の変化を比較したところ、自殺率の減少は局所的配布よりも広域的配布の方が大きいことが示唆された。局所的配布によりプログラムの受入れが良好となったことにより、広域的配布の成功につながったことが示唆される。今後は両者間の自殺率への影響を検討する。
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