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2013 年度 実施状況報告書

子ども家庭福祉実践におけるリスクとレジリエンスの視座の指針と評価指標の作成

研究課題

研究課題/領域番号 24530707
研究機関関西大学

研究代表者

山縣 文治  関西大学, 人間健康学部, 教授 (10159204)

研究分担者 岩間 伸之  大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00285298)
門永 朋子  東大阪大学短期大学部, 幼児教育学科, 准教授 (70711703)
キーワード子ども家庭福祉 / レジリエンス / ソーシャルワーク実践 / 子どもの能動的権利
研究概要

本研究の目的は、リスクとレジリエンスの視座を子ども家庭福祉実践に適用するため、指針および評価のための指標を作成することである。
研究2年度目にあたる平成25年度は、児童養護施設に入所する子ども(以下、「入所児」)のうち、現在「レジリエンス(良好に適応している状態)」を示している入所児への施設職員のはたらきかけについて、施設職員のインタビュー記録の分析をとおして明らかにした。その結果、レジリエンスを示している入所児に対する施設職員のはたらきかけの内容は、「I.リスク要因の見極め」と「I.防御推進要因の活性化および強化」に大別された。
「I.リスク要因の見極め」でいうリスク要因は、実践においては「虐待傾向のある親からの入所児への接触(電話、突然の訪問等)」、「入所児が施設での生活に慣れることを阻害する心理的・物理的な諸条件」などを指すことが示された。
「II.防御推進要因の活性化と強化」は、4つのカテゴリ(「1.入所児の回復に向けた基盤整備」「2.リスク状態による入所児のダメージの把握」、「3.前向きな変化への方向づけ」、「4.現実の社会のなかでの入所児の成長に向けた援助」)から構成されることが明らかとなった。なお、4つのカテゴリには、それぞれ3~4の「テーマ」が含まれており、テーマの総数は13であった。施設職員は、これらのテーマを意識・無意識的に実践のなかに組み込んでいることと、子どもがレジリエンスを示すためには、これら13のテーマに相当するはたらきかけが必要条件であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの達成度を「おおむね順調に進展している」と評価した理由として、前年度に引き続き、レジリエンスを示している入所児に対する施設職員のはたらきかけの内容を入念に分析・検討したうえで、前述の研究実績を示すことができたこと、今年度の結果に基づいて、来年度以降の研究の方向性を明確化することができたことが挙げられる。

今後の研究の推進方策

研究の最終年度にあたる平成26年度は、本年度までに明らかにされた施設職員のはたらきかけの妥当性について検討することに重点を置く。その方法として以下の2つを検討している。第1は、前年度よりも広範な地域において、入所児のレジリエンスと、施設職員のはたらきかけの内容とに、今年度と同様の関連性があるか否かを検証することである。第2は、今年度の研究実績の内容について、子ども家庭福祉研究者・実践者によるエキスパート・チェックを実施することである。
本計画の遂行上の課題としては、第1の方法の課題が大きい。具体的には、調査対象の地域をどの程度まで拡大するかということと、調査協力施設をどのように確保するかが挙げられる。とくに後者については、前回の調査(「レジリエントな入所児に対する施設職員のはたらきかけに関する調査」)におけるサンプル収集がきわめてに困難であったことを踏まえ、調査対象者にとってできる限り負担の少ない調査内容となるよう、調査項目を精査しなければならない。上記2つの方法のどちらが、適切かつ効果的であるかについては、研究分担者および子ども家庭福祉研究者・実践者らとの綿密な連携をとおして検討したいと考える。

次年度の研究費の使用計画

来年度にエキスパート・チェックを含む継続調査が必要となったため、20万円を次年度使用額とした。
エキスパート・チェックを含む継続調査の旅費および謝礼に当てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 児童養護施設入所児のレジリエンスと施設職員のはたらきかけに関する考察

    • 著者名/発表者名
      門永 朋子
    • 学会等名
      第14 回 日本子ども家庭福祉学会全国大会
    • 発表場所
      立正大学熊谷キャンパス(埼玉県)
  • [学会発表] 社会福祉領域におけるレジリエンス研究の今日的意義と展望 -社会的排除から包摂的社会へのキーターム-

    • 著者名/発表者名
      門永 朋子
    • 学会等名
      日本社会福祉学会 第61回秋季大会
    • 発表場所
      北星学園大学(北海道)

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公開日: 2015-05-28  

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