研究概要 |
H24年度は介護労働者の仕事継続の調査を行う前段階として下記の測定尺度の開発を行った。 ①介護コミットメントの尺度開発(研究代表者、連携研究者):申請中に既に、構成概念妥当性の検討を、項目反応理論ならびに構造方程式モデリング等の統計学手法に基づいて行った。3因子二次因子モデルを仮定した介護職務コミットメント尺度、介護職場コミットメント尺度の確認的因子分析を行ったところ、介護職務コミットメント尺度のデータに対する適合性はχ2=57.444,df=24,CFI=0.963,RMSEA=0.076、介護職場コミットメント尺度χ2=58.356,df=22,CFI=0.963,RMSEA=0.083いずれも許容できる水準にあった。信頼性については介護職務コミットメント尺度平均15.7±5.0点、Cronbach's α=0.851 、介護職場コミットメント尺度平均13.5±5.5点、Cronbach's α=0.870であり、許容できる水準であると判断した。 ②介護職員の介護技術能力尺度開発(研究代表者、連携研究者):自分自身の介護技術能力を客観的に評価することは極めて困難であり、現在使用されている介護技術評価尺度は、多くの項目から判断せざるを得ないのが現状である。特に、介護の現場において介護技術は経験や勘やコツで行われることも多いため、正しい介護技術が伝達、指導できにくいことも現状であることから、適正な介護技術自己評価が可能である尺度開発が必要である。以上のことから本年度は、文献研究を行い、介護現場で管理または指導者的立場の介護職員(8名)に対して、インタビューを行い、職員の介護技術評価項目の検討を行った。以上の結果を研究連携者等と項目選定を行い、介護技術尺度を作成した。なお、尺度の妥当性及び信頼性の検証はH25年度に実施予定である。
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