戦後実施された児童福祉調査を系統的に収集し、検証可能な調査資料群として整理した上で、「児童労働・年少労働」 をキーワードとして、高度経済成長期を中心に調査結果が示す児童の生活実態とその変化と児童福祉調査方法・手法の分析を行い、わが国における戦後の児童福祉調査の展開の特徴を把握し、それらが表出した今日の児童福祉の課題について考察した. その結果、児童にとっての高度経済成長期は、強力なマンパワー政策の元で、前期は中卒児童が急速に工業労働者化し、後半期は各種の後期中等教育レベルへの多くの困難を抱えつつも巻き込まれていく過程であったことを児童調査が跡づけていることが確認された。
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