1.平成26年度は、3年間の最終研究段階として位置づけ、平成25年度にも実施した試行的研究を継続研究として農村のLAGI町において「ソーシャル・サポート実証的研究」を実施した。具体的には、民家を借り上げて「ソーシャル・サポートセンター」を設置し、高齢者の交流の場(憩いの場)と日常生活の活性化を図る目的で実施した。 2.先行研究は皆無に等しいことから、ICF(国際生活機能分類・2001・世界保健機関)の心身機能・活動・参加、背景因子(個人因子・環境因子)の視点から生活環境の変化に伴う生活課題の把握を視点におきながら、家庭内での役割喪失、生活リズム、地域社会での役割喪失、家族機能の実態などを分析するための調査研究を実施した。 3.参加者の調査結果からソーシャルサポートセンターにおける交流の機会の必要性を全員が回答し、また、「専門相談員」「専門介護者」の必要性についても同様の回答結果であった。以上の調査結果から自分自身の役割を持ちながら、生きがいを感じて生活できる生活環境や専門職員による生活支援を希望していることが研究成果から実証できた。 4.農村部においても高齢者問題は、ベトナム社会における大きな社会問題であることを再認識した研究成果でもあった。 5.高齢者福祉支援策としてソーシャル・サポートの確立向けた、高齢者福祉の課題として早急な国家施策(政策)を具体的に行う必要性とその解決が急がれることが研究成果から実証できた。
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