研究課題/領域番号 |
24530725
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
桜井 昭男 淑徳大学, その他部局等, その他 (60619667)
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研究分担者 |
古宇田 亮修 淑徳大学, その他部局等, 研究員 (80445147)
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キーワード | 文書管理 / アーカイブズ / 社会福祉施設 |
研究概要 |
昨年度に実施した全国の社会福祉施設への文書管理に関するアンケート調査の結果について分析作業を行った。その成果は、平成25年7月20日(土)に淑徳短期大学で開催された千葉・関東地域社会福祉史研究会第8回(2013年度)研究総会と、同年11月16日(土)にやはり淑徳短期大学で開催された地域社会福祉史研究会連絡協議会第13回研究交流会において、「社会福祉法人・施設の文書管理等に関するアンケートの結果について」と題して報告を行った。 マハヤナ学園撫子園所蔵文書の調査については、昨年度に入力した目録データと、平成22年度に淑徳大学アーカイブズが作成した文書目録の統合作業を行い、その成果をもとに分類項目を作成する作業を行った。これまでに作成された他の社会福祉施設の目録や全国各地の社会福祉施設や自治体が制定している文書管理規程などを参考にして、現在も作業を継続している。また、マハヤナ学園撫子園の事務長に対して園の文書管理に関する聞き取り調査を実施した。そこでは、事務文書を作成する際の基準、文書の保存年限、これまでの文書廃棄のあり方、現用文書の範囲、文書の分類方法、電子データの扱い方とデータ管理、情報公開と文書管理の問題等、多岐にわたるテーマが取り上げられた。 昨年度に行ったマハヤナ学園撫子園所蔵文書の撮影に引き続き、今年度も残りの文書のうち重要と思われる文書9,520コマ分についてのデジタル化作業を行った。 以上の研究活動を実施し、また実施するための打合せ等のため、平成25年7月1日・7月29日・8月12日・8月26日・11月26日・12月24日の合計6回の研究連絡会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全国の社会福祉施設への文書管理に関するアンケート調査の結果については平成25年度において一通りの分析作業を終え、その成果を千葉・関東地域社会福祉史研究会第8回(2013年度)研究総会と地域社会福祉史研究会連絡協議会第13回研究交流会で報告することができた。 マハヤナ学園撫子園所蔵文書については、昨年度の作業として入力した目録データと平成22年度に淑徳大学アーカイブズが作成した目録との統合作業を行ったが、統合化された目録が適正かどうかの最終確認作業をすべて終えるまでには至らず、この確認作業は平成26年度の作業として残さざるを得なかった。このように目録の統合化作業がすべて終了しなかったため、それを踏まえたマハヤナ学園撫子園文書の分類項目の策定、および文書の保存年限の設定、非現用文書のうちアーカイブズとして保存すべき文書の確定といった作業が予定よりも進まなかったことは大きな反省点と言える。また、全国各地の社会福祉施設や自治体が制定している文書管理規程などの分析は、マハヤナ学園撫子園の分類目録の策定などのための基礎作業として重要であるが、この作業は現在継続中である。 マハヤナ学園所蔵文書のうち重要な文書のデジタル化作業については、昨年度に引き続いて約1万コマ分の文書のデジタル化を行うことができた。まだデジタル化すべきと思われる文書も残っているが、重要と思われる文書のデジタル化作業はおおよそ終えることができたと考えている。 以上のように、今年度については目録の統合化作業が少々遅れており、それが全体の研究に影響を与えていることが指摘できるため、平成25年度の研究の達成度は昨年度に引き続き「やや遅れている」とせざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は本研究の最終年度であり、報告書の作成に向けて研究成果のまとめを行う年度である。昨年度までの成果をふまえて、以下の通り作業を進めていきたい。 まず、統合された目録の確認作業を早急に終え、マハヤナ学園撫子園を事例とした分類項目の策定作業を進めることにより、社会福祉施設における文書の分類項目のひとつの型を提示する。また、全国各地の社会福祉施設および自治体が制定した文書管理規程等の分析をもとに、非現用文書のうちアーカイブズとして保存すべき文書の確定など、本研究の目的の一つである社会福祉施設におけるアーカイビングのあり方を提示するための作業を行う。 前項の作業とともに、当初本研究が対象としてあげていた児童養護施設錦華学院(東京都練馬区)と成田学園(千葉県成田市)の文書について、過去に淑徳大学長谷川仏教文化研究所やその関係者が作成した目録の検討を行い、マハヤナ学園の文書の分析の参考とする。また、この他にも岡山育児院を創設した石井十次氏に関する資料の目録(『石井十次資料館蒐・所蔵資料仮目録』)など参考となるような目録についても検討を行う。 また、マハヤナ学園撫子園の現用文書の分析を行い、社会福祉施設における文書管理のあり方について検討する。 次に、全国の社会福祉施設を対象として行った文書管理に関するアンケートの分析をふまえ、社会福祉施設における文書管理の現状と課題を明らかにし、社会福祉施設における将来にわたる確実な文書管理、アーカイビングのあり方について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費については、支払の手続きが遅れてしまったため、会計の処理を平成26年度分として処理した。昨年度の研究費の使用計画で、アンケートの分析の補充のために行うとしていた追加調査は結局実施しなかったため、そのための費用(旅費・物品費等)については平成26年度に繰り越すこととした。 資料を保管している段ボール箱が老朽化し痛みが激しいため、段ボール箱を新しいものに替え、資料の入れ替えを行う必要がある。研究のまとめの過程で必要に応じて追加調査等を行うこともある。また、報告書作成のための印刷・製本費に充てる分も考えておかなければならない。
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