平成27年度は、平成24年度~平成26年度における事例分析の結果を踏まえた全国の就労支援機関および事業所へのアンケート調査の必要性から、研究期間を1年間延長し調査を実施した。具体的には、一般就労した知的障害者の離職時および離職後支援の現状と課題を明らかにし、離職後における継続的な就労支援のあり方を提示することを目的とし、全国の障害者就業・生活支援センター196か所、就労移行支援事業所41所、及び東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県における区市町村障害者就労支援センター89か所へのアンケート調査を実施した。調査票では、回答者とセンター・事業所の基本的事項(属性、所有資格、就労経験年数、運営主体、併設サービス、登録者数、就職者数、離職者数)と、回答者がここ5年以内に一般就労した軽度の知的障害者の離職時および離職後支援事例から、支援内容および支援評価について選択肢を設けて回答を得た。選択した理由については自由記述形式により回答を得た。 その結果離職時支援には、①引きこもり防止、②就労意欲の確認、③情報提供、④企業との連携の重要性が示された。離職後支援には、情緒の安定、生活面、ゴールの設定において、本人を含めた定期的な支援機関との連携と、自己肯定感を高めるための本人の自己理解を促す支援ツールの必要性があげられた。
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