本研究では知的障害者の離職について、就労を継続できなくなったという帰着点ではなく、次の就労へとつなげるプロセスとしてとらえ、それまでに至る問題や課題を整理・分析した。その結果、就労意欲の阻害要因として、対人的要因、技術的要因、社会的要因の3つのカテゴリーを抽出した。離職後支援には、就労支援者による阻害要因への対処や、問題解決のためのシステムづくりを通して、本人の発達を見極めた多面的なアセスメントと、就労上の課題から生活全般に及ぶ課題への対応を含んだ、横断的な支援機関との連携の必要性が示唆された。
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