1.研究目的・概要:本研究では、保健・医療・福祉領域におけるソーシャルワークスーパービジョン(以下、SVと略す)体制の現状を把握し、既存の体制を十分に活用し、有機的・機能的なSV体制のモデル構築することにある。具体的には実践現場で活用しうるSV体制の効果モデルを提示し、実施、評価を行うこととする。具体的には、専門機関・施設で行われているSV体制について、ニーズアセスメントを行い、ゴール及び目標を明確化し、既存のプログラムを見直しモデル化を行う。保健・医療・福祉領域から、児童、高齢者、家族分野においてプログラム理論を用いて、その構築を行い、実施可能なソーシャルワークSV展開のためのツールキッド、及び活用ガイドラインを作成する。その有効的な活用を通じて、わが国の社会福祉専門職の人材の量と質の担保に貢献できことを目的とした。 2.研究方法:平成24年年度は仮説モデル設定として文献研究、および保健医療現場が抱える人材育成のためのスーパービジョン体制の課題についてニーズ調査を行った。平成25年度は平成24年度に行った評価調査を踏まえ、暫定的効果モデルを提示し、それに基づいたツールキッドと実施ガイドラインを作成を目標して、FGIを開催した。平成26年度は郵送による質問紙調査を行った。 3.研究結果:平成24年度の結果から、保健医療領域における療養型、回復期、急性期病院は機能にかかわらずSV体制において個人の自己研鑽は研修や外部にSVの依頼など組織体制や管理者の考え、スーパービジョンの必要性・重要性の欠如などが課題としてとらえられた。平成25年度の研究結果から暫定的効果モデルの前提として、SVを業務確認をする体制、業業務のバックアップ、養成・育成をする体制と位置付けた。その上でSVにおける倫理・行動規範、SV理論、SV展開過程、SV形態、SV効果を明らかにし、平成26年度に調査でモデルの検証を行った。
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