研究課題/領域番号 |
24530733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
佐々木 由恵 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (60406262)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 介護・看護職連携 / 思考プロセス / 認知スキーム / 多職種理解 |
研究概要 |
様々な産業界、とりわけ医療の分野では医療過誤や医療事故防止のために教育訓練や、ヒヤりハット・事故報告書等から綿密な分析を行い、安全性の高い医療サービスの提供に全力を挙げている。近年の人口構造の著しい高齢化そして医療改革の進行は、医療ニーズを拡大させ、介護場面でも「社会福祉士・介護福祉士法」の一部改正が実施され、平成24年4月より、介護職が研修等の一定の条件下で、喀たん吸引と経管栄養の医療行為が業務として実施されることになった。 このような背景を基に、今後ますます、医療・介護連携が必要とされていくが、一方で、介護職と看護職のコミュニケーションギャップも問題視されている。本研究では、コミュニケーションギャップの原因のひとつとして「認知スキームの差」を仮説した。 本研究のために、8つのテーマから成る動画による事例を制作し、その動画を活用し「自分であればどのように行動するか」を、「エビデンス(根拠となる事実)」 「リーズン(その理由)」、「アクション(行動)」の3要素で捉える「認知スキーム用紙」を用いて、介護職と看護職の認知スキームに異差があるか否か、異差があれば何が要因となっているのかを検証した。今後、データを分析・蓄積していくことで専門職間連携において、互いの思考を理解した連携と協働が促進できることに繋がる。 本研究の成果として、介護職の思考プロセスを分析・蓄積することは、今後、介護職が医療的ケアを実施していく際に、どのような教育を実施することが、介護職の不安軽減と利用者の安全に繋がるかが導き出せると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・第Iフェーズの課題であるである、研究対象とする医療的ケアの問題事象をモデル化し、それをシナリオとして動画モジュールを作成した。 ・研究目的である、「各専門職間に特有の認知スキーム」をとらえるために、最適な動 画モジュールを得るために、作成した動画も壱〇るを介護職と看護職に試写し、フィードバックを得ながら修正を加え実験に使用する動画モジュールを作成した。 ・動画モジュールを使用し、介護職と看護職各15名の被験者とし、2回にわたり 認知スキームを検証するための実験を行った。
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今後の研究の推進方策 |
第II、第IIIフェーズの目的である、介護職と看護職の認識、思考プロセスを検証するために、昨年度開発した認知スキームシートに改良を加え、2~3回程度被験者を公募しワーショップ形式で実験を行う。 実験データを分析し、それぞれの職種の思考プロセスを検証する。また、研修から得られたものを介護職の今後の教育にどのように活用していくかを導き出す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
・研究者の交通費、学会発表のための旅費 ・データ分析費、資料作成代(DVD作成、資料作成等) ・ワークショップ開催に伴う会場借り上げ費用 ・研究打ち合わせのための会議費および交通費及び被験者への謝礼金 ・研究に必要な文献及び書籍代
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