戦後障害者福祉の「相談」実践は、「福祉の措置」の行政的判断手続き上の「相談」と、「施設」機能の転換を模索する中、民間事業所ベースで取り組まれた地域生活支援での「相談」の2つの流れを背景に形成されてきた。インタビュー調査による知的障害のある人をめぐる「相談」実践の質的分析から、実践の構成要素は「障害相談の特徴(当事者の代行機能の必要性と困難さ、本人尊重から始める支援など)」、「制度環境の変化」「利用者の制度活用の変化」、相談担当者の「相談の視点」「相談のスタンス」「制度環境の変化の認識と挑戦」であり、相互に作用し総体としての「相談」実践となる。今日の相談支援事業の「相談」の検証の手がかりを得た。
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