研究課題/領域番号 |
24530740
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
新保 美香 明治学院大学, 社会学部, 教授 (20298053)
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研究分担者 |
志村 久仁子 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (10410507)
岡部 卓 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (40274998)
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キーワード | 生活保護 / 自立支援プログラム / 評価 / 当事者 |
研究概要 |
本研究は、生活保護受給者に対する「自立支援プログラム」の評価方法の現状と課題を、受給者及び支援担当者の協力を得て質的調査によって明らかにするとともに、生活保護の3つの自立の実現につながる評価方法の開発を目的としている。3年計画の2年目にあたる2013年度は、以下のような調査研究を実施し、成果が得られた。 ①「生活保護自立支援プログラム評価方法研究会」の実施(2回):関東近県の福祉事務所に勤務する生活保護担当職員(査察指導員・ケースワーカー)を招いての研究会。各会役80名の参加者とともに、評価に先進的に取り組む都道府県、及び福祉事務所の実践報告を受けるとともに、それをふまえたディスカッション、情報交換を行うことができた。→(成果)自立支援の評価に関する先進的取り組みを把握し、評価指標づくりへの示唆を得ることができた。また、自立支援プログラムの評価に関心を持つ自治体及び職員とのネットワークが形成できた。さらに「平成24年度 生活保護自立支援プログラム評価方法研究会報告書」をまとめ、研究会参加者及び関東圏自治体に配布し、成果の報告ができた。 ②相模原市との共同研究事業の実施(4回:全体4回・班会議3回):子どもの学習支援に関するアンケート、及びインタビュー調査とともに、開発したツール(アセスメントシート)を試行実施した。また、就労支援に携わる福祉事務所担当職員、及び、キャリアカウンセラーに対するインタビューを実施し分析した。→(成果)子どもの学習支援に関するアンケートの実施により、学習支援に参加しない子どものニーズを把握することができた。また、就労支援に関する現状と課題の分析ができた。 ③自立支援プログラム評価方法に関する訪問、ヒヤリング調査(2回):川崎市、京都府の福祉事務所担当者へのヒヤリングを実施した。→(成果)ヒヤリングによって、評価指標の開発につながる示唆が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、①自立支援プログラムの評価方法の現状と課題の把握、②自立支援プログラムの評価方法に有用な評価指標・評価方法の解明、③支援を多面的に評価できる新たな評価方法の開発を目的としている。 本年度も、全体的に研究目的に沿って研究計画どおりに調査研究を推進することができた。今年度は、特に、相模原市との共同研究事業において、中学生のアンケート調査の実施、及び学習支援プログラムの評価ツールとして「アセスメントシート」を開発し、すべての区において試行的に実施することができたことは大きな成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策) 2014年度は、これまでの取り組みを更に発展させ、以下のように研究を推進したい。 ①「生活保護自立支援プログラム評価方法研究会」の実施(2回):今年度も本研究会を継続させ、実践の共有化とともに、評価指標づくりをすすめていく。②相模原市との共同研究事業の推進:子どもの学習支援に関する評価方法の開発に加えて、就労支援、若者自立支援に関するインタビュー調査を実施し、評価方法の開発につなげていく。③自立支援プログラム評価方法に関する訪問、ヒヤリング調査:先進的に評価に取り組む、自治体や担当者へのヒヤリング調査を継続していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、ヒヤリング調査の実施数が予定より少なく、また、遠方の出張が少なかったため次年度使用額が生じた。 次年度は、ヒヤリング調査の実施(遠方を含む)に、当該予算を使用していくこととしたい。
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