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2012 年度 実施状況報告書

里親と里子に対するアタッチメントに焦点をあてたプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24530748
研究種目

基盤研究(C)

研究機関静岡福祉大学

研究代表者

徳山 美知代  静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70537604)

研究分担者 田辺 肇  静岡大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60302361)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード児童福祉 / 児童虐待
研究概要

<具体的内容>これまで児童養護施設のケアワーカーと幼児を対象に開発したアタッチメントに焦点をあてたプログラムを応用し,2組の里親と里子を対象に,新たなプログラムを半年間,実施し,その有効性を検討した。
プログラムは,児童養護施設の幼児と異なり,介入の場所に慣れるまでに時間がかかり,里親と離れることが難しかったために,プレイセッション前の里親とセラピストとの面接を行なわないといった構造上の工夫が必要であった。また,プレイの内容についても里子が場に慣れていないことから,非構造化プレイを多く取り入れ,安心感・安全感構築に時間をかけるといった工夫も必要であった。
評価に関しては,介入後,2組の里子のアタッチメント障害尺度得点,子どもの問題行動チェックリストによる問題行動に軽減が見られた。養育者の養育ストレスについては,介入後には1人は減少し,1人は若干の上昇が見られたが,いずれも平均値より低い値であった。養育スキルに関しては,3歳の里子の里親による子どもの問題行動の評価は減少しており,子どもの問題行動への対応方法を理解し,介入前の対応方法に関する自信のなさは介入後にはなくなった。6歳の里子は,介入前にトラウマ反応が介入後に減少したものもあったが,全介入終了の直前にトラウマの出来事の再体験をしたと思われ,それに関連する問題行動が多少増えた。
<意義>里親が里子の問題行動をアタッチメントの視点から理解し,適切なかかわりを行なうことで,里子と里親の関係性も安定し,里子の問題行動が減少したことは里子の健康な成長に寄与したと考えられ,プログラムの開発研究に意義が見出される。
<重要性>里子は問題行動が多いために,里親から措置変更になることが多く,そのことが里子は傷つき体験となる。それを未然に防ぐともに養育者のストレス軽減を図れることから,多くの里親と里子に必要なプログラムと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的の一つである,児童養護施設のケアワーカーと幼児を対象としたアタッチメント・ベイスト・プログラムを里親と里子対象としたプログラムとして再構成することについては,予備的な介入を基に再構成している。目的の二つ目である,プログラムの評価に関しても2組ではあるが,評価を示すことができた。計画では近隣地区での介入を予定していたが,参加者が得られなかった。そのため,介入数は少なくなったが,おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

<平成25年度>平成24年度の知見を基に,プログラムに関するマニュアルを作成する。そして,新たな里親と里子を対象に介入し,有効性の検討を行なう。さらに研修会を実施することで,実践者育成を行ない,介入対象者数を増やし,有効性の検討を行なう。また,プログラムの方法論と,これまで申請者が実践してきた介入について,国際学会European Society for Trauma and Dissociationにて発表する。
<平成26年度>研修終了者による介入と有効性の検討を行なう。一方で国際学会International Society for tha Prevention of Child Abuse and Neglectにて発表する。

次年度の研究費の使用計画

(1)図書や介入に必要な物品費として25万円を,(2)介入のための旅費と国際学会発表,打ち合わせなどの旅費として90万円を,(3)介入補助者に対する人件費・謝金として10万円を,(4)その他,発表や情報収集のための学会参加費,研修会会場費など25万円を計画している。

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公開日: 2014-07-24  

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