本研究は日本・アメリカ・フランスの先進資本主義国におけるマイクロクレジットについてケーススタディによって社会学・社会福祉学・経済学からのアプローチを試みたものである。 本研究成果の特徴は次の3点にある。1点目は日本におけるマイクロクレジットのルーツを明らかにし,その流れを引く生活福祉資金貸付事業の近年の改正が「防貧」から「救貧」へと変化して行ったことを示した点である。2点目は借受人に伴走する支援と柔軟な債権管理の必要性を明らかにした点であり,3点目はアメリカ・フランスにおいてはマイクロクレジット機関の育成が低所得者層等の金融包摂政策として導入された経緯と現状および課題を明らかにした点である。
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