研究課題/領域番号 |
24530762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
栄 セツコ 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (40319596)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 精神障害当事者 / 語り / 精神保健福祉教育 / 中・高生 / 共生社会 |
研究概要 |
本研究では、「中高生を対象とした精神保健・福祉教育プログラムの開発~当事者の語りから学ぶ」をテーマとして、①精神障害当事者の語り部養成、②学校教育における教材づくり、③他団体の学校における精神保健福祉教育の実践に関する情報収集を3つの柱としている。 ①精神障害当事者の語り部養成では、研究協力者であるNPOヒットの協力を得て、法人内の利用者に対して、本研究の趣旨を説明し、賛同の得られたもの5名に語り部養成研修(8回)を実施した。当事者の語りの内容は報告書にまとめた。また、当事者の語りを大学教育に導入している英国で、ヒューマンライブラリーの実践を視察をした。さらに、当事者にとって語りの実践が自身の人生において、どのような意味をもつのかについてインタビューを行った(継続中)。 ②学校教育における教材づくりでは、研究協力団体であるNPO「こあら」の協力を得て、学校教育等で使用されているリーフレットやテキストを収集し、マトリックスに整理した。また、実際に、学校でメンタルヘルス教育を行っている団体を招聘し、大学生を対象とした模擬授業を実施し、その評価を測定した。 ③他団体・機関が実施している学校における精神保健福祉教育の情報収集として、5つの団体を視察した。 以上のように、本年度は学校教育における当事者の語りをキーワードとして、当事者の語り部養成研修の実施と学校教育における精神保健福祉教育の情報収集など、今後の研究の基盤となる活動を行った。これらの研究の詳細については報告書にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・区分(2)おおむね順調に進展している。 本研究は、「中高生を対象とした精神保健・福祉教育プログラムの開発~当事者の語りから学ぶ」をテーマとして、①精神障害当事者の語り部養成、②学校における精神保健福祉教育の教材づくり、③他団体の学校における精神保健福祉教育の実践に関する情報収集を3つの柱としている。本年度は、次年度以降の研究の基盤となる情報収集や精神障害当事者の語り部の養成ができた。ただ、学校における精神保健福祉教育の教材づくりに関して、その形式や内容に関して議論がなされており焦点をしぼることができていないことでやや遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、①精神障害当事者の語りに基づく講義の実施、②学校における精神保健福祉教育の教材づくり、③精神障害当事者の語りに関する意義について検証していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(B-A)の53923円は、平成24年度における報告書の作成費(130000円)、語り部のブックレット(76000円)にあてる予定である。そのほか、次年度の研究費として、以下のものを予定している。①当事者に対する語りのインタビュー(20名×3000円)とそのテープ起こし代(200000円)②リーフレット作成費 200000円 ③資料収集・語り部活動費(それに伴う研究協力費)200000円 ④分析等スーパーバイズ謝金 100000円 ⑤学会発表・視察費 300000円
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