研究課題/領域番号 |
24530770
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
増田 公香 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60316776)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | QCIQ / POPS / エンパワメント評価 / ICF / 参加(参加制約) |
研究概要 |
本年度の研究実績としては、次の点が挙げられる。 第一に、ICFの参加(参加制約)の評価尺度の日本語版作成に向けて研究を展開した。ICFの参加(参加制約)の評価尺度の中で、客観的レベルのみならず主観的レベルをも加味したもので2004年にCieron等により開発されたQCIQ(Quality of Community Integration Questionnaire) と同じく2004年にBrown等により開発されたPOPS(Participation Objective, Participation Subjective)の日本語版作成に向けて研究展開を行った。具体的には、英語に堪能な日本人2名により日本語への翻訳を行った。その後、日本語に堪能な英語のネーティブスピーカーの研究者によるバックトランスレーションを行った。 第二に、エンパワメント評価に関する論文を検索等を中心に収集した。 第三に、エンパワメント評価に関する概念の展開を検討した。具体的にはフィンランドに行き、ヘルシンキ大学の図書館等においてエンパワメント評価の情報収集を行った。北欧においては、イギリスを中心としたソーシャルワークの理論や概念の展開が強いが、ヘルシンキ大学においてはアメリカで発生したエンパワメント評価という理論に関する資料が多く収集されており、フィンランドにおいてもエンパワメント評価という理論及びその概念が活発に展開されていることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目標である評価スケールの作成に関しては、POPS及びQCIQに関しては日本語への翻訳及びバックトランスレーションまで実施することができた。しかしながら、プレテストの実施まではいかなかった。また当初予定していた障害の特性に合わせたエンパワメントスケールの作成は実施できなかった。 その理由として、研究遂行時に本務校の教育に関して突発的業務が発生したため、十分な時間が取れなかったことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては次の点を考えている。 第一に、POPS及びQCIQの日本語版を完成することである。前年度の未達成点であるプレテストを実施し信頼性・妥当性を検討したうえで、POPS及びQCIQの日本語版を完成する。また、障害の特性に合わせたエンパワメント評価スケールを作成する。 第二に、作成した日本語版POPS及びQCIQさらにはエンパワメント評価スケールを用い身体障害のある人々・知的障害のある人々・精神障害のある人々に対して、当事者の視点からエンパワメント評価を行う。 第三に、海外(アメリカ及びヨーロッパ)において展開されているエンパワメント評価の実際を把握し、日本における応用に向けて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画としては、評価スケールの完成に向けてプレテスト等における謝金、日本語版評価スケールの冊子の作成費、評価スケールを用いたアンケート調査実施の費用、海外での実態把握のための視察費用を予定している。
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