研究課題/領域番号 |
24530770
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
増田 公香 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60316776)
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キーワード | エンパワメント評価 / POPS / QCIQ / ICF / 参加(参加制約) |
研究概要 |
本年度の研究実績としては、次の点が挙げられる。 第一に、2013年度に作成したICFの参加(参加制約)の評価尺度であるQCIQ(Quality of Community Integration Questionnaire)と POPS(Participation Objective, Participation Subjective)のプレテストを身体障害のある人々に対し実施した。またPOPSに関しては、図式によるモデル化を図った。 第二に、フィンランドを訪問し、フィンランドの知的障害のある人々に対するサービス機関の支援において展開されているエンパワメント評価の実際を視察した。具体的に当時者の視点で評価できるツール、及び知的障害のある人々の当事者同士によるエンパワメント支援の実態把握を行った。 第三に、エンパワメント評価の理論を提示したFetterman D.M., Kaftarian S.J.の原著『Empowerment Evaluation -Knowledge and Tools for Self-Assessment &Accountability』の日本語への翻訳の版権を出版社を通し取得し、抄訳により日本語版作成に向けて社会福祉領域の研究者他4名とプロジェクトに着手した。また申請者は索引の日本語版の作成を行った。しかしながら翻訳作成着手直後、第2版が2014年9月以降に出版されることが判明し、メンバー間で検討した結果、第2版を翻訳することとなりプロジェクトの延期を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目標であるQCIQ及びPOPSのプレテストに関しては、他の障害のある人々に対しても実施したが、対象者の障害状況等の関係でプレテストとして十分なデータ数を得ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては次の点を考えている。 第一に、QCIQ及びPOPSのプレテストを通して作成した日本語版評価スケールの冊子を作成する。 第二に、日本語版QCIQ及びPOPSを用い、年齢や生活状況の異なる身体障害のある人々の参加(参加制約)の実態把握を行い、ICFにおける個人要因や環境要因と参加(参加制約)との関連性について要因分析を行う。 第三に、2014年9月以降に発行される『Empowerment Evaluation -Knowledge and Tools for Self-Assessment &Accountability』第2版の抄訳をとおし日本語版作成を行う。 第四に、QICQ及びPOPSのフィンランド版の作成を行う。その上で、エンパワメント評価による当事者同士による支援が展開されているフィンランドのサービス機関において参加(参加制約)の実態把握を行う。その上で、日本との比較検討を展開する。
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次年度の研究費の使用計画 |
日本語版QCIQ及びPOPSを用い参加(参加制約)の実態把握が、依頼団体の都合及び対象者の障害や疾患等のため、当初予定していた規模の調査ができなかったため。また、前述の日本語版評価スケールの冊子の作成・配布まで実施できなかったため。 個人状況や環境状況の異なる身体障害のある人々に対し日本語版QCIQ及びPOPSを用いて参加(参加制約)の実態把握を行う。また前述した日本語版評価スケールの冊子の作成・配布を実施する。
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