研究実績の概要 |
第一に、障害のある人々の参加(参加制約)と主観的側面を複合的に評価するQCIQ(Quality of Community Integration Questionnaires)に関して、フィンランド在住の社会福祉研究者の協力を得てフィンランド語版QCIQを作成した。 第二に、フィンランド語版QCIQをもちいてフィンランドにおいて知的障害のある人びと及び精神障害のある人々77名に実態把握を行った。具体的には知的障害のある人びと46名にから有効回答が得られた。結果は男性21名(45.7%)・女性25名(54.3%)で既婚者1名・未婚者44名・その他が1名。精神障害のある人々31名から有効回答が得られた。結果は男性18名(58.1%)・女性13名(41.9%)で既婚者1名(6.5%)・未婚者44名(95.7%)・その他1名(2.2%)だった。フィンランドにおける対象者の多くはグループホームあるいは地域で家族とともに生活している人であったためQCIQの家庭統合の項目は低かった。 第三に、A県において身体障害をもつ人々1,000名に対して日本語版QCIQを用いて参加(参加制約)の実態把握を行った。結果は、259名から有効回答が得られた(有効回答率25.9%)。結果は、男性137名(52.9%)・女性121名(46.7%)・無回答1名(0.4%)で平均年齢は、61.9(±16.6)歳だった。参加(参加制約)の状況のうち家庭統合に関しては、女性のほうが高かった。 第四に、フィンランドにおいて知的障害のある人びと及び精神障害のある人びと7名に対してエンパワメントに関するインタビュー調査を行った。その結果、対象者は地域やグループホームで生活しており、就労や芸術活動等の社会参加をとおし自らの生活をマネジメントしQOLの高い生活をしていることが確認できた。
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