研究課題/領域番号 |
24530782
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻本 昌弘 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90347972)
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キーワード | 生活史 / エスニシティ / 社会的交換 |
研究概要 |
本研究の目的は、これまで南米の日系人(日本からの移民とその子孫)や沖縄諸島の人々を対象に実施してきた地域研究の集大成を図ることである。研究課題とするのは、エスニシティ・生活史・社会的交換である。 本年度は移民の生活史に重点をおいた。ここでいう生活史とは、聞き取り調査などをもとに個人の経歴や体験をまとめた記録のことである。これまでの地域調査で収集してきた口述資料・文献資料をもとに移民個人の人生と近代の時代史を一体的に記述するとともに、日常生活の具体的なエピソードを生かしながら移動の人生を歩んだ移民の精神史をたどる生活史研究を試み、その成果を公刊した。 また、移民の場合を例にして、生活史研究の方法論について検討を進め、学会報告を行った。移民の生活史を解釈する際には、複数の文化からの影響という観点がありうるが、さらに人生の可能性を学ぶという観点もあることを提案した。移民のなかには、時代史(たとえば貧困、国民国家の作用、総力戦争など)に翻弄されながらも、みずからの人生を切り拓いていった者がいる。複数の文化からの影響という概括的な解釈ではなく、日常生活の細部のエピソードを生かしながら、人生の可能性をめぐる多様な解釈に開かれた生活史を編集・作成する意義を論じた。 以上にあげた一連の研究により、生活史研究をいっそう深化・発展させることができる可能性がみえてきたことから、新たな生活史調査の構想・準備に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生活史研究を完成させて公刊した。
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今後の研究の推進方策 |
生活史研究をいっそう深化・発展させることができる可能性がみえてきたことから、研究の重点を生活史におき、新たな生活史調査の構想・準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を適切に推進したことによるもので、少額である。 平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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