研究課題/領域番号 |
24530787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
中山 満子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (30235692)
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研究分担者 |
池田 曜子 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 博士研究員 (90523837)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 対人関係 / 対人葛藤 |
研究概要 |
ママ友関係の特徴、特に対人葛藤の生起過程を明らかにすることが、本課題の目的である。特に本研究では、ママ友関係を、従来の友人関係研究のように「親密な対人関係」と位置付けるのではなく、よりゆるやかで多様なつながりをもつ小集団と位置づけ、その中での葛藤生起の要因とプロセスを明らかにすることを目指す。 この目的にてらして、今年度は、昨年度末(2012年2月)に収集した質問紙データの分析とまとめを行うとともに、新たに幼稚園児をもつ母親を対象とした質問紙調査(2012年5月)とインタビュー調査(2012年9月)、並びにママ友関係と大学生の友人関係を比較するために、大学生を対象とした質問紙調査(2012年6月)を行った。 その結果、ママ友関係における対人葛藤には、大学生の友人関係とは異なる特徴(社会格差、子ども関連)があることが示され、これまでの研究と一貫する結果が得られた。また葛藤経験と自分自身のパーソナリティ及び葛藤相手のママ友のパーソナリティ認知との間に関連がみられることが示された。 また半構造化面接によるインタビュー調査からも質問紙と同様の葛藤パターンが得られた。すなわち、子どものしつけ、ママ友自身の行動、経済格差などの葛藤が語られた。 さらにインタビューでは、葛藤のみならずママ友関係のもつ効用についても語られた。すなわち、対人スキルの獲得、これまで関係を持たなかったタイプの人との付き合いを通しての対人関係の広がり、さらにはこれらを通しての自分自身の成長について語られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
葛藤の類型とパーソナリティの関連についての分析、および大学生のとの比較調査に時間を要したことで、「小集団」としてのママとの関係の分析をするまでには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現実のママ友関係の様相を明らかにすることにたちかえって、質問紙調査により検討を行う。女子大学生との比較も行う。 つながりの強さ、つながりの数、多様性に着目し、分析を行う。また、ママ友関係内におけるコミュニケーションのあり方と葛藤との関連、つながりを乱す影響勢力の影響についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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