本研究は主に以下の成果を得られた。(1)不正行為に対する負の態度は公正敏感さや道徳規範意識など個人心理属性のほか、評価者自身や家族などが被害を受ける可能性によって影響されることが確認できた。(2)個人の不正行為に対する判断が所属する組織の倫理風土に影響されることが確認できた。(3)不正行為の理由説明だけが不正行為に対する負の評価が強くなるが、組織のイメージを維持するように理由説明する場合、負の評価が軽減されることが確認できた。(4)中国の有職者の内部告発に関する態度が日本での結果と類似する一方、社会文化的な影響を受ける可能性が見られた。
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