研究課題/領域番号 |
24530799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
石盛 真徳 京都光華女子大学, 人文学部, 准教授 (70340453)
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研究分担者 |
小杉 考司 山口大学, 教育学部, 准教授 (60452629)
清水 裕士 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (60621604)
渡邊 太 大阪国際大学, 人間科学部, 講師 (80513142)
藤澤 隆史 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90434894)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 家族システム / コミュニティ意識 / 夫婦ペアデータ / パネル調査 |
研究概要 |
これまでシステムとしての家族の柔軟性・安定性については、社会心理学や臨床心理学等の分野で研究されてきたが、スナップショット的な一時点でのデータに基づく研究がほとんどであり、時間的な流れの中での、家族システムの変化について十分には捉えられていなかった。そこで本研究では、家族システムの発達と移行について明らかにすることを目的として、子育て期を終了する前後の家族を対象にパネル調査を実施する。 平成24年度は、まずはじめに第一回パネル調査の実施に向け、社会心理学、コミュニティ心理学、臨床心理学、家族心理学、青年心理学、ライフサイクル論、社会的ネットワーク論、および家族社会学等に分散して蓄積されている家族システム論およびコミュニティ・ネットワーク論の理論的または実証的知見を検討し、第一回パネル調査で使用する質問紙の設計を行った。 そして、平成24年11月から12月にかけて、東海地方に在住する末子が高校生の4人家族の父親と母親の夫婦ペア(223組)を対象として第一回パネル調査を実施した。その結果、父親ではネットID得点(インターネット上の各種サービス利用IDの登録数)は、コミュニティ意識尺度の自己決定因子および夫婦間の問題対処方略尺度の回避因子との間でそれぞれ正の相関がみられた。一方、母親ではネットID得点は、コミュニティ意識尺度の愛着因子、地域での参加・交流、子供との会話、および主観的幸福感とそれぞれ正の相関がみられた。これらの結果から、父親ではネット利用の積極性は、コミュニティでの住民の主体性を重視する意識や夫婦間での問題対処方略での回避という選択に関連するのに対し、母親では、ネット利用の積極性は、子供とのコミュニケーションや地域での活動における積極性と関連し、また主観的幸福感の高さとも関連していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究実施計画で予定していた項目については実現することができたので、大峰順調に進展していると判断した。具体的には、社会心理学、コミュニティ心理学、臨床心理学、家族心理学、青年心理学、ライフサイクル論、社会的ネットワーク論、および家族社会学等に分散して蓄積されている家族システム論およびコミュニティ・ネットワーク論の理論的または実証的知見の検討結果に基づき、第一回パネル調査で使用する質問紙の設計を行った。そして作成された質問紙を用いて、平成24年11月から12月にかけて、東海地方に在住する末子が高校生の4人家族の父親と母親の夫婦ペア(223組)を対象として第一回パネル調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年4月~8月の期間に研究代表者と研究分担者が集まり、合宿形式の研究会を開催し、第一回パネル調査データの分析と結果の検討を行う。そして、平成25年9月~12月にかけて、当該分野の研究者からのコメントを得ることを目的として、心理学関連の諸学会にて第一回パネル調査の成果について発表を行う。そして、発表の結果得られたコメントを基に一回データの分析結果に関して再検討を行い、第二回調査質問紙の設計に向けての検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
第一回データの分析と結果の検討を行うための合宿形式の研究会、および第一回パネル調査の成果について学会発表を行うための旅費として研究費を使用する計画である。
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