研究課題
基盤研究(C)
ソーシャルメディアの利用者に対するアンケート調査を通じて、対人ネットワークの規定因として類似性が果たす役割を、実生活とソーシャルメディアの比較を行って検討した。現代のソーシャルメディアを代表するアプリケーションとしてTwitterを取り上げた。これは、リアルタイム性を重視するコミュニケーションツールであるがゆえに、情報が対人ネットワークを通じてリアルタイムで広がる特徴を持っており、東日本大震災においてもデマ発生の温床となったことが確認されているためである。今年度は、Twitterを対象としたログ調査を行うためのデータ収集システムの構築を行う準備期間とした。目標としたのは、特定のキーワードに関する発言または特定の個人の発言、そしてフォロー・フォロワー関係を網羅的に自動的に収集するためのシステムである。収集の対象となるのは、デマ情報と後から判断される可能性の高い情報であり、こうした情報に関する発言は、後からデマであると判明した場合、発言者から削除される可能性が非常に高い。リアルタイムで展開する情報の伝播を観察し、分析の対象とするためには、後から検索と保存を行うのではなく、随時収集して独自に保存していく必要がある。2010年の時点で日本におけるTwitterの利用者は1、000万人を超えているため、取得する必要のあるログの量が大量になる。そのため、処理能力の高いサーバを用い、テスト稼働を繰り返し行っていく必要がある。
2: おおむね順調に進展している
ソーシャル・メディアと従来型のメディアとの対比を大学生を対象とした調査で行う、という部分の当初の目的を達成した。
オンライン調査を通じて、大学生におけるソーシャルメディア利用の傾向と同じ傾向が見られるかどうかを確認する。また、Twitter対象のデータ収集システムの構築を完成させるとともに、社会的距離の分析が適応可能であるかどうかを検討する。
常時稼働することによって24時間のTwitterログを取得可能なサーバを設置し、また定期的にメンテナンスを行うための人件費を確保する。習得されたログデータの分析の前処理のための作業を行う作業費も必要となる。発見された知見は随時、国際学会などで発表していく予定である。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Happiness Studies
巻: 13 ページ: 969-983
10.1007/s10902-011-9299-x