本研究では,幼児なりの論理的な思考と,直観的ともよべる思考の「ゆらぎ」に着目し,幼児期特有の認知発達過程を明らかにすることを目的とした。子どものごっこ遊びや発話には,多くの「ゆらぎ」がみられたが,子ども同士,あるいは保育者とのかかわりや状況によって「ゆらぎ」が変わっていくことが観察から示唆された。また,保育者による5歳児クラスの実践例を再分析することにより,お金の認識や想像上の人物についての認識の「ゆらぎ」が明らかになった。また子どものつぶやきにみられる「ゆらぎ」について,保育者は子どもの認識を,より理解しようとする傾向がみられた。
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