研究課題
平成24年度から27年度における、福島県、岩手県、宮城県、茨城県の教育委員会指導主事、スクールカウンセラー、大学教員からの、「震災後の子どもの状況、子どもや教師が工夫していること」に関する聞き取りを元に、小学生・中学生用の質問項目、および小学校・中学校の教師用の質問項目を作成した。児童生徒用は、「学校生活(学習面、心理・社会面、進路面、健康面)において、学校の先生からしてもらっている支援」、「自分が震災以降がんばっていること、工夫していること」の57項目を作成し、「学校生活享受感」と合わせて質問紙とした。教師用は、「チームの支え合い」「チームでの会議の参加」「チームでの支え合いによる児童生徒との関わりの変化」「児童生徒への支援における工夫」合計43項目を、家近・石隈らのコーディネーション委員会に関する尺度を一部修正して、質問紙とした。平成28年2月・3月、岩手県、宮城県、福島県の小学校計37校、中学校計30校に調査を依頼した。小学校の児童は5年生、中学校の生徒は2年生を対象とした。4月11日現在67校中61校から回答があった。児童生徒に関しては、環境のレジリエンス(教師の支援)が、児童生徒のレジリエンス(自分の工夫)や学校生活の享受にどのように影響を与えるかを検討した。そして教師に関しては、チーム援助が児童生徒への支援の工夫(レジリエンス)にどう影響を与えるかを検討した。今回の成果をもとに、子ども・教師のレジリエンスを高める支援モデルを構築する計画をしている。また今回の被災地における子どもと教師のレジリエンスに関する研究成果から、支援者(教師や心理職)の訓練プログラムを考察するための資料として、欧州のプログラムを検討した。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
学校心理士会年報
巻: 8 ページ: 123-131