心身相関的影響関係が含まれる老化現象を取り上げることで、心身相関についての理解の発達の様相をより詳しく検討することを目的とした。老化における身体領域内、認知領域内の影響関係(例えば、栄養バランスへの配慮が身体機能低下を緩和する、頭を使う習慣が記憶力低下を防ぐなど)の強度の推定については、少なくとも小1の時点で大学生と同レベルに達する一方で、領域をまたぐ影響関係(身体→認知、認知→身体、情緒・社会→身体、情緒・社会→認知)、ないしは情緒・社会領域内(例えば、心理的リラックスが開放性の低下を緩和する)の影響関係の強度の推定については、児童期中期以降に大学生と同レベルに達することが示された。
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