研究課題/領域番号 |
24530815
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (00283656)
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キーワード | 青年期 / 自己形成 / 自己発達 |
研究概要 |
本研究は、「自己形成(self formation)」を青年期以降に特徴的な、自己を主体的・個性的に形作る行為と定義し、ひとの誕生以来の「自己発達(self development)」の一部ではあっても、異なる機能を持つものであることを実証的に検証しようとしたものである。これまでの研究成果を受けて、自己形成には3 つの機能(「時間的展望活動」「将来基礎活動」「非時間的展望活動」)のあることがわかっており、H24年度ではライフタスクの測定技法を用いて、この機能を追検証することを計画していた。そのうえでH25年度には自己形成尺度を作成することと計画していた。 H24年度の実績概要で述べたように、H24年度は計画をH25年度のものと入れ替えて、自己形成尺度の開発から始めた。しかしながら、投稿した学会誌の査読結果が不採択で戻ってきて、方法論的に修正すべき大きな問題点があることに気づかされた。具体的には、自己形成を主体的に個性的に形作る部分の得点化と発達的な方向性を示す部分の得点化との内包関係である。この関係を分別、あるいは包含する操作的な教示や項目、分析のしかたの修正が求められた。H24年末には、再度予備調査から始め、本調査をおこなったが、まだ分析を目的に適うようなかたちで終えられていない。単純な相関・構造分析では、分析が進まないことがわかってきたので、少し統計の勉強をし始めて時間を要しているのが実際である。H26年度には、はやく分析をしあげて、投稿論文としてまとめたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、データセットの構造が複雑になっており、個人的自己形成と発達的自己形成とを内包・分別するための適したモデル結果を示すために、もう少し統計の勉強をしなければならないことがわかった。まだ、この作業が十分に終えておらず、はやめに終えて分析を仕上げ、論文にまとめることが、本年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
・統計の勉強をはやめに終えること ・自己形成尺度の開発を終えて、論文にまとめ、学会誌に投稿すること。 ・上記2つをはやく進めて、もう1つの研究課題(ライフタスク課題を用いての自己形成の機能の検証)まで、研究を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度は研究計画が思うように進まなかったため、H26年度に若干まわして、成果をまとめることに充てたいと考えた。 成果(論文)をまとめることに充てる。
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