本研究は,12名の幼児を対象に3歳から5歳になる3年間,折り紙が苦手であるため上手になりたいとする学習者に折り紙の作り方を教える場面を検討した。4歳時点から,間接的な教示方略を使ったりするなど教え方は洗練されていくが,4歳児は学習者が失敗すると代行することが多かった。他方,5歳児になると,極力学習者に操作させようとして,学習者の熟達を意図した教え方が可能になった。こうした教示方略と心の理論の関連については確認できず,教示内容や教示意図によって,教示に必要とされる認知能力が異なる可能性が示唆された。
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