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2013 年度 実施状況報告書

高次リテラシーとしての批判的読解力のアセスメントと教育実践

研究課題

研究課題/領域番号 24530825
研究機関山口大学

研究代表者

沖林 洋平  山口大学, 教育学部, 准教授 (20403595)

研究分担者 犬塚 美輪  大正大学, 人間学部, 講師 (50572880)
藤木 大介  愛知教育大学, 教育学部, 講師 (60403599)
小杉 考司  山口大学, 教育学部, 准教授 (60452629)
キーワード高次リテラシー / 批判的思考態度 / 批判的読解力 / 大学教育 / 潜在的態度 / 教員養成
研究概要

本研究は,高次リテラシーとしての批判的読解力のアセスメントと教育プログラムの開発を目的とする。本研究は3年計画で実施する。1年目は,アセスメントのための基礎データの収集および基礎資料の収集を行う。2年目は,1年目で得られたデータに基づいてアセスメントツールを改定 し実用化する。2つの大学での並行的実施によりツールの信頼性を高める。また,大学における教育実践との対応関係を検証する。3年目は,主として卒業時の読解力の総合的データとの対応関係を検証する。3年目は,3大学で並行的に実施する。本研究によって,大学の専門教育を通した批判的読解力のアセスメントと授業などの日常的活動による教育的支援が可能となる。
相互教授法や相互モデリングとは,学習者同士が相互に,モデル提示役,質問役,要約役などの役割を交代しながら読解方略の育成を行う教授法である(Palincsar & Brown,清河・犬塚,2003)。本研究は,山口大学と愛知教育大学,大正大学という3つの大学で,同じアセスメントツールを用いる。まず,平成24年度は,山口大と愛教大の比較研究を行う。前期と後期の間に,アセスメントツールの修正を行い,バージョンアップを行う。この計画には3つの利点がある。1つめは,学部構成や学生数がほぼ同じ環境の2つの異なる対象で調査を行うことによる,ツールの信頼性の向上である。2つめは,それら2つとは異なる特徴を持つ大学での効果検証を行うことによる,ツールの一般化可能性の検証である。3つめは,教育調査における学事歴に束縛されることに対するリスク低減である。平成25年度は,研究の展開期にあたる。山口大学と愛知教育大学で並行的にプログラムを実施することにより,信頼性の高いアセスメントツールおよび教育プログラムの選定を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績でも述べたように,本研究は,高次リテラシーとしての批判的読解力のアセスメントと教育プログラムの開発を目的とする。本研究は3年計画で実施する。1年目は,アセスメントのための基礎データの収集および基礎資料の収集を行う。2年目は,1年目で得られたデータに基づいてアセスメントツールを改定 し実用化する。2つの大学での並行的実施によりツールの信頼性を高める。また,大学における教育実践との対応関係を検証する。3年目は,主として卒業時の読解力の総合的データとの対応関係を検証する。3年目は,3大学で並行的に実施する。本研究によって,大学の専門教育を通した批判的読解力のアセスメントと授業などの日常的活動による教育的支援が可能となる。
本研究は,山口大学と愛知教育大学,大正大学という3つの大学で,同じアセスメントツールを用いる。平成25年度は,研究の展開期にあたる。山口大学と愛知教育大学で並行的にプログラムを実施することにより,信頼性の高いアセスメントツールおよび教育プログラムの選定を行う。これら目的については,本研究は,研究代表者を中心として,高次リテラシーとしての批判的読解力の測定ツールの研究を進めている。
また,関連する研究テーマとして,潜在的な批判的思考態度と顕在的な批判的思考態度の関連や,教員養成と批判的思考態度の関連についても研究を進めており,研究はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の展開としては,本年度が研究の最終年度にあたるため,ツールの公表と研究成果の発表を中心に作業を進める。
まず,ツールの公表については,複数の学術論文への投稿準備を共同研究者らと進めており,年度内の遂行が可能である。次に,研究成果の発表については,日本心理学会,日本教育心理学会,認知発達フォーラム等での発表を予定している(5月7日現時点で申し込み済み)。その他,関連する学会等での研究発表についても,随時行う予定である。
次に,関連するテーマとして,潜在的態度としての批判的思考態度についての研究や,教員養成と批判的思考態度の研究も,高次リテラシーとしての批判的思考の機能と応用を考えた場合不可欠であるため,今年度も継続して研究を進める。これについては,学内の紀要論文や,研究会等での研究発表要旨として,記録に残し,広くインターネット等によって検索可能な状態にする。
以上のような,研究の推進状態に基づき,本科研課題の完成と,それによって発見された課題についても,更なる発展的研究として,実験や調査を行うとともに,その成果を積極的に公表することを目指す。

次年度の研究費の使用計画

研究の実施にあたり,今年度までの研究の達成状況は当初の予定通り達成した一方,次年度,すなわち最終年度に実施すべき課題が生じたため。
実験材料の購入,APA年会費などに使用する予定。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 潜在的態度に関する近年の研究の諸理論2013

    • 著者名/発表者名
      沖林洋平・藤田理恵
    • 雑誌名

      山口大学教育学部研究論叢

      巻: 63 ページ: 35-39

  • [雑誌論文] 単純接触における刺激の違いが潜在的認知に及ぼす影響 : GNATを用いて2013

    • 著者名/発表者名
      藤田理恵・沖林洋平
    • 雑誌名

      山口大学教育学部研究論叢

      巻: 63 ページ: 41-46

  • [雑誌論文] 事前情報がリスク語IATに対して及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      沖林洋平・藤木 大介・犬塚美輪
    • 雑誌名

      第69回 言語・音声理解と対話処理研究会 (SIG-SLUD)

      巻: 69 ページ: 40-43

  • [雑誌論文] リスク語に対する潜在的態度と顕在的批判的思考態度の関連22013

    • 著者名/発表者名
      沖林洋平
    • 雑誌名

      第15回認知発達フォーラム発表論文集

      巻: 15 ページ: 10-11

  • [学会発表] アイデンティティ・スタイルとwell-beingの関連 : 大学生と40代成人の比較を通して2013

    • 著者名/発表者名
      西田若葉・沖林洋平
    • 学会等名
      日本青年心理学会
    • 発表場所
      福島県福島市 コラッセ福島
    • 年月日
      20131116-20131117
  • [学会発表] 協同的読解が批判的読解に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      沖林洋平・藤木大介
    • 学会等名
      中四国心理学会69回大会
    • 発表場所
      山口大学 山口市
    • 年月日
      20131116-20131117
  • [学会発表] 包括的生徒指導としての協同学習が学校適応感に及ぼす影響(2)2013

    • 著者名/発表者名
      沖林 洋平・山田 洋平・米沢 崇・栗原 慎二
    • 学会等名
      日本教育心理学会55回総会
    • 発表場所
      法政大学 東京都千代田区
    • 年月日
      20130817-20130819

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公開日: 2015-05-28  

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