研究実績の概要 |
平成27年度の研究課題は,(1)協同的パブリック・トークの力量形成のための指導書の作成,(2)国際交流プログラムの質や効果を測定・評価するためのツールの共有と開発であった。 (1)については,これまでの学生引率の知見を指導書というかたちで現在編集中である。この指導書は,海外渡航の事前指導,渡航中,事後指導の3つの段階に分かれて,具体的な指導内容と学生自身の目標設定,自己評価,改善方針,学習成果の振り返りをおこなうように設計されている。また,それぞれの段階で利用できるワークシートも綴じ合わせられている。 (2)については,Hamel, Chikamori, Ono, and Williams (2010)らが海外渡航中の学生が体験する文化的葛藤の内容とそれへの対処をインタビューした研究を発展させ,海外渡航中の学生が書き込みやすい振り返りのための日誌を作成し,そこに定期的に振り返りを書き込めるようにした。その日誌では,葛藤内容と対処に加えて,そこから得た教訓を尋ねるようにした点が独自の貢献である。この実績の一部は,共同研究として日米教員養成協議会において発表された。この他,受け入れ先のホストファミリーが利用するための評価アンケートや国際交流プログラム期間中の人間関係アセスメント・シートについても開発に着手した。
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