研究課題/領域番号 |
24530837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
佐久間 路子 白梅学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30389853)
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研究分担者 |
松井 淳子(野田淳子) 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (90413096)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自己概念 / 中学生 / 縦断的調査 / アンケート / インタビュー |
研究概要 |
本研究は、3年間の研究期間にわたり、中学生を対象に、自己概念の内容や評価に関する質問紙調査およびインタビュー調査を横断的・縦断的に実施することを通じて、青年期前期の自己概念の発達的変化を明らかにすることを目的としている。平成24年度は、中学校4校に協力を依頼し、25年3月に第1回質問紙調査を実施した。対象は、中学1年生263名(男性138名、女性122名、不明3名)、2年生233名(男性106名、女性124名、不明3名)、3年生119名(男性50名、女性58名、不明11名)、合計615名であった。質問紙の項目は、①自分がどの程度好きかをたずね、好きなところ・嫌いなところについて具体的に自由記述、②佐久間(2006)で用いた特性語リスト評定(外向性、協調性、勤勉性について肯定・否定各4項目の合計24項目)、③本当の自分、偽の自分に関する意識、④児童用コンピテンス尺度である。①と④に関して、学年差および性差を検討するために分散分析を行ったが、①好きな程度については、学年と性別ともに有意な差は見られなかった。④コンピテンスは、性別による有意な差が見られ、男性よりも女性の方が得点が低いことがわかった。いずれも学年による差は見られず、好きな程度とコンピテンスにおいては、学年が上がるにつれて、自己評価が否定的になるとはいえなかった。 第1回インタビュー調査は、質問紙調査回答者のうち中学1年生55名を対象として、25年3月に対象校の空き教室で、面接者と生徒と1対1で実施した。インタビューでは、質問紙調査でたずねた項目を中心に、好きなところ、いいところ、1年前からの変化、本当・偽の自分に関する意識などについて詳細にたずねた。インタビューは逐語記録としておこし、今後佐久間ら(2000)に基づき分類整理を行う予定である。これらの結果が平成25年度以降の縦断調査の基礎データとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は調査依頼の遅れと協力校の予定の関係で、調査実施が25年3月になってしまった。アンケート調査は、中学校4校を対象に行ったが、対象人数は615名であり、予定していた人数の約半数であった。一方、インタビュー調査は、予定通り中学校1年生55名を対象に実施することができた。しかし調査実施が3月であったため、年度内にすべての分析を行うことができなかった。以上より、本年度は平成25年度以降の縦断調査の基礎となるデータを収集することはできたが、分析途中ということもあり、研究の達成度はやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
1年目に行った調査の分析を進め、横断的比較結果をまとめる。 平成25年度は縦断的調査を行うため、第2回質問紙調査およびインタビュー調査を実施する。第2回質問紙調査は、第1回調査に協力してもらった中学校に再度協力を依頼し、2年生、3年生を対象に、10月あるいは1月頃、質問紙調査を行う。また1年目の対象者が予定より少なかったため、新たに2~3校の中学校にアンケート調査の協力を依頼する。質問紙および調査方法は、第1回調査と同様である。回収をした質問紙は、第1回調査と同様にデータを入力し、学年間の横断的な比較を行う。加えて、第1回調査結果と縦断的に比較する。 第2回インタビュー調査については、第1回調査対象者の中学2年生55名を対象に、質問紙調査の後(10月あるいは1月頃)に実施する。インタビューの内容や実施方法は、第1回調査と同様である。第1回調査と同様に、逐語記録としておこし、分類を行う。さらに第1回調査の結果と縦断的に比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査実施が3月になってしまったため、データの入力および分析に関わる研究費(主に人件費、データ入力費)の使用が予定よりも少額であった。平成25年度は、まず平成24年度に行った第1回調査の分析を行う。データ入力および分析は、調査補助者とともに行うため、人件費を使用する予定である。その後第2回調査の準備、実施、分析を計画通りに行う予定である。
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