研究課題/領域番号 |
24530837
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研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
佐久間 路子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (30389853)
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研究分担者 |
松井 淳子 (野田 淳子) 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (90413096)
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キーワード | 自己概念 / 中学生 / 縦断的調査 / アンケート / インタビュー |
研究概要 |
本研究は、3年間の研究期間にわたり、中学生を対象に、自己概念の内容や評価に関する質問紙調査およびインタビュー調査を横断的・縦断的に実施することを通じて、青年期前期の自己概念の発達的変化を明らかにすることを目的としている。平成25年度は、25年3月に中学校4校の1~3年生合計614名を対象に実施した第1回質問紙調査(項目内容:①自分がどの程度好きか(4段階)をたずね、好きな・嫌いなところについて具体的に自由記述、②特性語リスト評定(外向性、協調性、勤勉性について肯定・否定各4項目の合計24項目)、③自分に関する意識、④児童用コンピテンス測定尺度)の分析を進め、学年差および性差を検討した(日本発達心理学会第25回大会にてポスター発表)。学年による差は、3年生の方が自己を好き嫌いの両面から捉えるという点のみだけで見られた。一方、性別による差は、女子の方が「きらいのみ」が多く、コンピテンス得点が低いことから、女子が男子よりも自己をより否定的に捉えていることが明らかになった。また他者との関係に応じた自己の変化や本当やにせの自分について、男子よりも女子の方がより意識していることが明らかになった。 第2回のアンケート調査は、平成26年2~3月に行った。継続で調査を実施できたのは1校のみであり、継続調査として2年生と3年生約150名、新規調査として1年生約70名を対象に実施した。さらに新たに1校に調査を依頼し、2年生と3年生約200名を対象に実施した。 インタビュー調査は、質問紙調査回答者のうち中学1年生55名を対象として、第1回調査を25年3月に実施した。これらのインタビュー調査の内容を逐語記録としておこし、整理した。さらに26年3月に中学2年生になった第1回対象者55名を対象に、第2回のインタビューを行った。今後は、縦断データに基づき、第1回、第2回の調査を比較分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、縦断調査の2年目にあたり、第1回目の調査協力者を対象に質問紙調査及びインタビュー調査を実施する予定であったが、質問紙調査については、調査を継続することができたのが1校のみであり、縦断的な調査への協力者を確保することが困難であった。本年度から新規に1校の協力を得ることができたため、来年度は2校を対象に調査をする予定である。 インタビュー調査については、継続して協力してもらうことができ、縦断的データを蓄積しているところである。しかし調査実施が3月であったため、データを収集することはできたが、年度内にすべての分析を行うことができなかった。以上より、本年の達成度はやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成26年度は、第3回の調査を実施するとともに、縦断的比較結果をまとめること目標とする。 第1回および第2回調査は、調査依頼の遅れと協力校の予定の関係で、実施が3月になってしまった。年度内に縦断的分析結果をまとめるためには、10月頃に調査を実施する必要がある。今年度は早めに調査の依頼をし、早期の実施にむけて円滑に進めることを目指す。調査内容は、第1,2回と同様の予定である。回収したデータは迅速に入力し、学年間の横断的比較と、これまでの調査との縦断的比較分析を進める。 研究のまとめに際しては、研究分担者と検討を重ね、平成27年3月の日本発達心理学会で発表するともに、学術論文として投稿することを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
1年目の第1回調査の実施が25年3月だったため、2年目に約40万円繰り越されていた。第1回調査のデータ入力および分析のために人件費を使用したが、データ入力業者ではなくアルバイトに依頼したため、予算よりも少額であった。また第2回調査も実施が2~3月になってしまったため、データ入力および分析に関わる研究費の使用が年度内においては予定より少額であった。 今年度は、まず第2回調査の入力および分析を行うため、調査補助者への謝金を支出予定である。また第3回調査は10月頃の実施を目指し、複数の調査補助者に協力してもらいながら、年度内にすべてのデータ入力および分析を終わらせる予定である。
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